内閣総理大臣の年収がおよそ46万円上がる法案について、1日に岸田文雄総理大臣が国会で野党の追及を受けました。岸田総理は見直しに言及せず、国民の理解を求めています。
■30年間 平均給与が上がらないなか…
岸田総理:「来年度は、この賃上げが物価に追いつくことができるか、これはまさに正念場であります。ここに的を絞って、経済対策を用意しなければならない」
来年ではなく、「今が正念場なのでは?」とSNSなどで指摘する声も上がるなか、物価高に悩まされる国民をざわつかせているのが…。
20代 会社員:「全然、賃上げとかないですし、私たちも。ずるい」
そう思うのも無理はありません。
日本維新の会 音喜多駿政調会長:「総理や閣僚の給与アップ法案が提出されていることは大きい。可決されれば、総理は月々6000円の給与アップになります」
ここ30年間、日本人の平均給与がほとんど上がらないなか、総理の給与が上がるというのです。
今国会、岸田内閣は「特別職の職員の給与に関する法律」の改正案を提出しました。
これは、今年の人事院勧告で「一般職」の国家公務員の給与が引き上げられるのに合わせ、「特別職」も上げるというものです。
■岸田総理「定額を国庫に返納し…」
日本維新の会 音喜多政調会長:「国民を差し置いて、総理が給与アップで、月給だけで年間7万2000円です。経済対策で給付される金額よりも多いわけです。これは到底、国民の多くの理解は得られません」
総理大臣の年収はおよそ4000万円。法案が成立すれば、今年4月にさかのぼって、ボーナスを含め総理が年間およそ46万円、大臣がおよそ32万円の賃上げとなります。
日本維新の会 音喜多政調会長:「法案を見直すなり取り下げるなりするべきだと思いますが」
野党からこう迫られた岸田総理は、次のように述べました。
岸田総理:「内閣総理大臣3割、国務大臣2割を国庫へ返納する申し合わせをしてきている。内閣総理大臣年間法律に従って、46万円上がるとしても、返納額は1218万円であります。国務大臣も引き上がりが32万円だとしても、返納額は592万円であります。閣僚みずからこうした姿勢を示すことによって、国民の皆さんから不信を招かないように努力を続けていきたい」
岸田総理は「定額を国庫に返納し、国民の不信を招かないように努力する」と述べました。
■納得できない声の一方…「その分の活躍を」
国民への所得減税は4万円のみ。1度きりです。
今回の“給与アップ法案”は、街の人にはどう映っているのでしょうか?
70代:「自分の給料が上がるように法案を出すってことですか?その前にもっとやることがいっぱいあるんじゃないですか」
40代 営業職:「率直な感想は、自分たちがあまり上がらないなか、総理が上がってしまうんだというところがあります」
法案の成立には納得できないという声が多く上がる一方で、次のような声も聞かれました。
30代 音楽関係:「別に問題はない」
20代 接客業:「でも、その分の活躍をしてほしいな」
■専門家「国民感情とずれ」「なぜ今なのか」
政治ジャーナリストの細川隆三氏は、とにもかくにも「法案を提出した“タイミングが悪かった”」と話します。
細川氏:「岸田政権は賃上げを政策の重要な柱に掲げています。だから、率先してやっていこうということなのかもしれませんけれど。大企業はいい。だけど、中小・零細企業は賃上げしたくてもできない。国民感情とずれてます。総理大臣や閣僚の手取りを増やすと、なぜ今なのか、そんな必要は全くない」
(「グッド!モーニング」2023年11月2日放送分より)
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からの記事と詳細 ( 総理の年収46万円アップ法案 野党が追及…専門家「国民感情とズレ」「なぜ今なのか」[2023/11/02 12:29] - テレビ朝日 )
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