能登半島地震で損壊した石川県内の太陽光発電施設が少なくとも約20カ所に上ることが30日、金沢工業大の調査で分かった。破損した太陽光パネルは発火や感電の危険性がある。甚大な被害を受けたインフラの復旧は徐々に進んでいるが、太陽光発電施設の修復まで手が回っていないことも懸念され、国などは注意を呼びかけている。
金沢工業大の徳永光晴教授の研究室は国土地理院が被災地を撮影した航空写真を使い太陽光発電施設の状況を調査。その結果、珠洲市5カ所、七尾市3カ所、能登町2カ所、穴水町2カ所の計4市町で12カ所の被害を確認した。徳永教授によると、穴水町や能登町では土砂が流れ出してパネルが崩落するケースなどがあったという。
このほか珠洲、七尾の両市と穴水、志賀の両町の計6カ所でも被害が疑われ、研究室が調査を進めている。能登半島以外では、金沢市の1カ所で損壊が確認された。
地震発生から半年となるが、徳永教授は「道路が完全には復旧せず、家屋などが倒壊したままのところもある。まだ修復に取り掛かれていない太陽光発電施設もあると見込まれる」と指摘する。
一方、太陽光発電施設の事業者は、パネルの破損や敷地外への流出などがあった場合は詳細を経済産業省に報告する義務があるが、経産省への被害報告は3月時点で16件に上る。経産省によると平成28年の熊本地震などに比べて報告件数は大幅に増えているという。
大幅増の背景には、太陽光発電の普及があるとみられるが、業界関係者は「(普及とともに)野放図に設置されていたものもあるかもしれない」とも指摘する。太陽光パネルは損壊しても日射があれば、発電して発火の恐れがある。徳永教授は「崩落などの危険性がある場所への設置を規制するといった安全利用のための政府の環境整備が求められる」と話した。(中村智隆)
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