【パリ=梁田真樹子】フランスの国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票が30日に行われる。極右の流れをくむ「国民連合」(RN)が政権への不満の受け皿となって支持率トップを維持し、過半数獲得に向けて攻勢を強めている。マクロン大統領の中道与党連合は議席を大幅に減らす可能性が高く、厳しい政権運営は避けられない情勢だ。
世論調査機関・IFOPによると、28日時点で共闘勢力を含めたRNの支持率は36・5%に達し、9日の議会解散以降で最高となった。獲得議席は225~265と予測される。与党連合の支持率は20・5%にとどまり、29%の左派政党連合に次ぐ3位で低迷している。獲得議席予測は70~100で、解散前の250を下回るのはほぼ確実だ。
マクロン氏は欧州議会選の国内投票でRNがトップとなったのを受け、議会を解散した。極右への反発から支持を取り戻せると見込んでいたとみられるが、現状では裏目に出ている。
マクロン氏は昨年、国民に不評な年金制度改革法案を強行採択した経緯などから「上から目線」との評価が定着し、支持率低迷が続く。これに対しRNは、排外主義的な主張を薄め、治安改善や経済格差是正に焦点を絞る「脱悪魔化」路線で現状に不満を抱く層から幅広く支持を集める。
28歳でRN党首を務めるジョルダン・バルデラ氏は過半数の議席を得た場合、首相に就きたい考えを示した。首相は予算を含む法案提出権を握り、議会との調整に当たる。大統領が任命するが、これまでは議会多数派から選ばれていた。
RNはマクロン氏が主張するウクライナへの訓練要員派遣に反対し、年金制度改革の撤回も公約に掲げる。RNが多数派となれば、マクロン氏が主導してきた外交や経済政策で手足を縛られかねない。
国民議会選は小選挙区制。第1回投票で過半数を獲得した候補者がいない選挙区では、有権者の12・5%以上の票を得た候補者による決選投票が7月7日に行われる。多くの選挙区で勝敗は決選投票に持ち込まれる見通しだ。
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