G7広島サミットでウクライナに関する首脳声明が発表されました。
ロシアに対する追加の制裁として、輸出制限の対象を侵攻に重要なすべての品目に拡大できるよう行動し、ウクライナにできるだけ早く永続的な平和をもたらすためあらゆる努力を払うとしています。
サミットは、19日午後、ウクライナ情勢をテーマにしたセッションが行われ、冒頭、岸田総理大臣は「G7が結束し、あらゆる側面からウクライナへの力強い支援と厳しい対ロ制裁を続けていくことが不可欠だ」と述べました。
そのうえで「今回のサミットでは、ロシアによる侵略を断固として拒否し、ウクライナに平和を取り戻すというG7の強い決意を改めて示したい」と強調しました。
そして、セッション終了後、首脳らは、議論の成果をまとめた声明を発表しました。
声明では、ロシアによるウクライナ侵攻について、不当で、国連憲章違反のいわれのない侵略戦争であり、食料とエネルギーの安全保障などで弱い立場の国に影響が出ていると指摘したうえで、最も強いことばで非難するとしています。
そして、ロシアに対してすべての軍を即時かつ無条件に撤退させるよう求め、永続的な平和の実現はロシア軍の撤退なしには実現できないと強調しています。
さらに、核兵器をめぐっては、去年ロシアも参加したG20サミットで「核兵器の使用、もしくは使用の脅しは容認しない」などとした首脳宣言を採択したことに触れています。
また、ロシアへの制裁については、輸出制限の対象を戦場で使用されているものを含め、侵攻を進めるうえで重要なすべての品目に拡大できるよう行動し、製造や建設、輸送などの従事者を制裁対象に加えるとしています。
さらに、ロシアが制裁を逃れる動きを防ぎ、第三国がG7のこうした取り組みに関与することを奨励するとしています。
さらに、ロシアのエネルギーへの依存度を下げ続けることや、ロシアが金属やダイヤモンドから得る収入を削減するよう取り組むことも盛り込んでいます。
そして「平和の象徴」である広島から、G7がすべての政策的な手段を動員し、ウクライナにできるだけ早く永続的な平和をもたらすため、あらゆる努力を払うことを誓うと結んでいます。
ウクライナ政府の高官は、ゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席することを明らかにしていて、議長国を務める日本として、この声明を踏まえウクライナとの強い連帯を確認したい考えです。
プーチン政権に近い専門家 “制裁強化は空論 機能せず”
ロシア科学アカデミー欧州研究所のアレクセイ・グロムイコ所長は、NHKのインタビューに対して「日本でのG7サミットでは、すでに導入されている制裁の厳格化を目指すことになるのは明らかだ」と述べたうえで「制裁は、彼らが期待する結果にはつながらない。空論であり機能しない」と批判しました。
そして「貿易や経済を多角化しなければならない。ロシアと中国の関係は歴史上、頂点に達している。また、ペルシャ湾岸諸国やラテンアメリカ、アフリカ、アジアの国はますます独立した行動を取っている」と述べ、ロシアは、中国のほか「グローバル・サウス」と呼ばれ欧米と一線を画す新興国や途上国との関係強化を目指すと強調しました。
一方、ウクライナへの軍事侵攻をめぐっては「ロシアが受け入れ可能な解決方法を模索するために真剣な交渉が行われなければ、大規模な紛争は避けられない」と述べ、ロシア側が譲歩する可能性は極めて低いとしています。
グロムイコ所長は、ソビエト時代に30年近くにわたり外相を務め妥協しない交渉姿勢から「ミスター・ニェット」とも言われたグロムイコ元外相の孫です。
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