戸籍上は男性だが、女性として生活する性同一性障害の50歳代の経済産業省職員が、庁舎内の女性用トイレの使用を不当に制限されているとして、国に制限の撤廃を求めた訴訟の上告審弁論が16日、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)で開かれた。原告側は「女性として社会生活を送る重要な法的利益を制約された」と主張。国側は「対応は著しく不適切とはいえない」と反論して結審した。
判決は7月11日。最高裁の弁論は2審の結論を見直す際に必要な手続きで、トイレの使用制限を「適法」とした2審・東京高裁判決が見直される可能性がある。
原告は1999年頃に性同一性障害の診断を受けた。健康上の理由で性別適合手術は受けていないが、経産省の了承を得て、2010年から女性の容姿で働いている。
その際、女性用トイレの使用を訴えたが、同省からは「他の女性職員とのトラブルを避けるため」として、職場から2階以上離れたトイレの使用を求められた。このため、同省に使用制限を撤廃させるよう人事院に求めたが認められなかったため、提訴した。
この日の弁論で原告側は「他の女性とは異なる取り扱いで、尊厳を深く傷つけられた」と主張し、人事院の判断も検討が不十分で妥当性がないと訴えた。国側は「経産省の対応は(職場の)女性職員にも配慮した措置だった」と反論。心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」への対応は社会的にも方針が定まっていなかったとも主張した。
2019年12月の1審・東京地裁判決は使用制限の違法性を認定したが、21年5月の高裁判決は、各官庁に当時、原告のようなケースでの対応指針などがなかったことなどを踏まえて違法性を否定したため、原告側が上告していた。
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