政府は、新型コロナウイルスの「オミクロン株」の流行を受けて推奨してきた未就学児のマスク着用について、見直す検討に入った。流行が長期化する中で子どもの発達への影響を懸念する意見が専門家から出ているための対応で、岸田文雄首相が最終判断する。
一方、小学生以上についてはオミクロン株の流行が続いていることから、当面は感染リスクが高い場面でのマスク着用の推奨を続ける方針だ。
政府は新型コロナウイルスの発生以降、感染対策の一環として広くマスク着用を求めてきたが、未就学の子どもについてはマスク着用は推奨してこなかった。
ただ、今年に入って感染力が強い変異株オミクロン株が流行し、子どもの感染者が急増したことを受け、政府は2月、新型コロナ対策を定める基本的対処方針を改定。保育所などでは2歳以上の子どもについて「発育状況から無理なく可能と判断される児童は、可能な範囲で、一時的に着用を勧める」とした。2歳未満の子どもには推奨していない。
未就学児のマスク着用を巡っては、夏を控え熱中症のリスクが増すことや、マスクの着用で相手の表情が読み取りづらくなり、言語習得などの発達への影響が指摘されている。
厚生労働省に対策を助言する専門家組織の有志らは近く、子どものマスク着用について見直しを提言する方向で調整している。政府も未就学児については、屋内外を問わずマスクの着用を求めない方向で検討をしている。
東京都医師会も今月、小学校低学年以下については屋外でマスクを外すことを提案した。【金秀蓮、中村紬葵】
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