【ワシントン=田島大志、クラクフ(ポーランド南部)=笹子美奈子】ロシアの軍事侵攻が続くウクライナの首都キエフを巡り、米国防総省高官は8日、露軍がキエフの北東部から進軍し、60キロ・メートルの地点まで達したとの分析を明らかにした。高官は露軍の進軍がキエフの北20キロ・メートル付近で停滞していると指摘していたが、露軍が別ルートからも包囲を強め、総攻撃に備えている可能性がある。
高官はキエフ市街地での戦闘も起きているとし、「混乱を招くことを意図した露軍の偵察部隊の仕業だと評価している」と語った。南東部の港湾都市マリウポリは露軍が包囲したと分析した。
高官は、ウクライナへのミサイルは670発の発射が確認され、約半数がロシア国内から放たれたと指摘した。ウクライナに投入された15万超の露軍部隊のうち、ウクライナ軍の反撃で一部の戦闘機や車両が破壊されたとしつつ、「戦力の95%は使用可能だ」との見方を示した。
ウクライナ国営通信によると、キエフ郊外で8日、露軍によるミサイル攻撃で2人が負傷した。
一方、ロイター通信によると、ウクライナのイリナ・ベレシュチュク副首相は8日、民間人の退避ルート「人道回廊」が設置されたマリウポリで、民間人の避難ができなかったと表明した。退避ルートでの露軍の砲撃が続いており、住民退避は今後も難航しそうだ。
人口約40万人のマリウポリは、露軍や親露派武装集団による包囲が約1週間続き、水や食料の供給が断たれた状態だ。マリウポリ市長は8日、爆撃で母親を亡くした6歳の少女が脱水症状で死亡したと明らかにした。
8日には、露国防省が「人道回廊」を設置すると発表した5都市のうち、東部スムイで東部ポルタワに向けた退避が行われ、ベレシュチュク氏は約5000人が避難したと明らかにした。しかしこの退避ルートでも露軍による砲撃があったと伝えられている。
露国防省は、9日も8日と同様に東部ハリコフ、首都キエフ、北東部チェルニヒウも含めた5都市で「人道回廊」を設置すると発表した。ただ、露側はロシアやベラルーシに向かうルートを主な経路として提示しており、ウクライナ政府は拒否している。ロシアへの恐怖心を強める住民も退避に応じる可能性は低い。
からの記事と詳細 ( ロシア、別ルートでキエフ包囲の進軍…総攻撃の準備か - 読売新聞オンライン )
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