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Sunday, January 23, 2022

国有林内の露天風呂で死亡事故 中標津の秘湯、閉鎖危機:北海道新聞 どうしん電子版 - 北海道新聞

 【中標津】根室管内中標津町養老牛の国有林内にある露天風呂「からまつの湯」で昨年11月、入浴に訪れた利用者が誤って湯船に落ちてやけどを負い、その後に死亡する事故があったことが22日、北海道森林管理局への取材で分かった。からまつの湯は設置者や管理者がはっきりせず、土地所有者の国も設置を認めたわけでない“野湯(のゆ)”。周辺の国有林を管理する同局根釧東部森林管理署は湯への立ち入りを禁止し、施設閉鎖も含め検討しており、愛好者は対応に苦慮している。

■設置者不在の“野湯” 愛好者が自主的管理

 風呂は標津川支流の渓流沿いにあり、数人が入れる湯船二つと木造の脱衣所などがある。付近にはかつて営林作業者向けの宿舎があり、昭和50年代に撤去されたが、後に地域の人らが石を積むなどして風呂を整備。近くの養老牛温泉の客や愛好者が多く訪れるようになっていた。70度以上の源泉を入れるバルブと、沢水を入れるバルブが設けられ、利用者が二つを開閉し、湯温を調整できる。

 同管理署が医療機関から聞き取った情報によると、事故があったのは昨年11月26日夜。利用者は足を滑らせ、高温になっていた風呂に転落。自ら中標津町内の病院に向かって受診し、釧路市内の病院に転送されたが、全身にやけどを負っており、同12月上旬に亡くなった。当時の湯温など詳細は不明という。これを受け、同管理署は入り口に立ち入り禁止の看板を設けた。

 同管理署の松本康裕署長は「安全面などを含めて適切に管理できる団体などが出てきた場合は、国有林貸し付けの手続きを経て施設存続を検討できる」とし、地域の愛好者グループにもこの方針を伝えた。ただ、愛好者の1人は「存続させたいが、個人による管理は難しい」と困惑。松本署長は「管理者が現れない場合、閉鎖を含めて検討せざるを得ない」と話す。

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