岸田文雄首相は8日午後の衆院本会議で、就任後初の所信表明演説を行った。外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略(NSS)」などの改定に取り組む考えを表明した。敵基地攻撃能力を念頭に「効果的措置を含むミサイル防衛能力など防衛力の強化」を図る方針も示した。新型コロナウイルス対策を「喫緊かつ最重要の課題」と位置付けた一方、経済成長と富の分配の好循環を目指して「新しい資本主義実現会議」を創設する考えも示した。
首相はNSSのほか、防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」、5年間の「中期防衛力整備計画」を改定する方針も示した。海上保安庁の強化、経済安全保障に取り組む方針も説明した。
コロナ対策では「常に最悪の事態を想定して対応する」と説明した。3回目のワクチン接種や経口治療薬の年内実用化など、対策の全体像提示に意欲を示した。コロナ対策の司令塔機能の強化や、人流抑制、医療資源確保のための法改正も行う方針も提示した。コロナの影響を受けた非正規労働者や子育て世帯に給付金を支給し、事業者にも規模に応じて給付する。
「新しい資本主義」の実現に向け、成長戦略と分配戦略を車の両輪とした。分配戦略では賃上げを行う企業への税制支援、教育費・住居費の支援、看護師や介護士の収入増などを図る。
外交・安全保障政策に関し、首相は「自由で開かれたインド太平洋」を力強く推進すると宣言。中国との安定的な関係構築を目指す一方、新疆(しんきょう)ウイグル自治区での弾圧などを念頭に「深刻化する国際社会の人権問題にも省庁横断的に取り組む」と述べた。北朝鮮の拉致問題では全ての被害者の一日も早い帰国を目指し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と「直接向き合う決意だ」と表明。元慰安婦訴訟などで国際法違反を続ける韓国に「適切な対応を強く求めていく」とした。
首相はまた、広島出身の首相として「核兵器のない世界」を目指すと強調。憲法改正に関しては、与野党に「国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待する」と述べた。
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