東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、4日投開票の都議選で再選された木下富美子都議が選挙期間中に無免許運転で人身事故を起こしていた問題について「大変驚いた。客観的に自らの行為を見詰めなければ有権者に極めて失礼。このような事例が政治への信頼を欠くものにつながっていくのは極めて残念だ」と苦言を呈した。

木下氏は、小池氏系の地域政党「都民ファーストの会」から除名された後に1人会派を結成した。その点についても小池氏は「出処進退は自らが決めることだが、新しい会派をつくるという選択肢があることに大変驚いた」と批判した。

木下氏は2日に事故を起こし、3日には事務所を訪問した小池氏の激励を受けていた。小池氏は「(党に)報告が遅れたこともいかがなものかと思う」と述べた。

木下氏は免許停止期間中だった2日、板橋区の交差点で車をバックさせた際、停車中の乗用車に衝突し、運転席の男性と同乗の女性に軽いけがをさせた。事故を公表せず、4日の都議選は定数5人の板橋区選挙区で3位の得票を得て2回目の当選を果たした。除名後の6日、会派を結成した。

木下氏は自身のホームページに8日付でメッセージを掲載。自身の今後について「損ねてしまった信頼を取り戻すためにどうすれば良いか、様々なご意見をいただきながら、熟考を重ねてまいります」とした。(共同)