科学的プロセスへの不信感がある中で国が考えるべきことは何か
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(星良孝:ステラ・メディックス代表取締役、獣医師)
ようやく新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が医療従事者に対して始まる見通しとなった。ワクチンの有効性は9割で、副反応は少ないなど明るいニュースが続くが、それでも先行きに重さが拭えない理由は何だろうか。
先を行く米国が悩むのは、ワクチン接種の「様子見」のムードだ。日本でも密接に関係するが、そこは「臭いものにはふたをする」のが大好きな国民性。見て見ぬふりをしているのかもしれない。
しかし、その奥底には日本に横たわる医療をめぐる大きな問題が見え隠れしているようにも見える。それは、ワクチン接種を広げていく上での日本最大の盲点と言えるかもしれない。国内外の研究や報道も踏まえ接種勧奨の課題を考察する。
いまだに過半数「消極的」の衝撃
筆者は2020年7月に、「コロナワクチンを無力化する『反ワクチン』の地下茎」として、ワクチン忌避問題が大きな課題になると書いた。要点は3つだ。
まず、多くの人が自然とワクチン接種を受け入れると早合点できないこと。次に、有効性や安全性だけを強調するばかりでは、ワクチン忌避問題を解けない可能性があるということ。最後に、平時にワクチン接種の価値を認めている人でも、今回は、ワクチン接種に消極的になる可能性があるということ──の3つである。
AP通信とシカゴ大学が実施した当時の共同調査によると、米国の1056人を対象として調べたところ、ワクチンを接種する意向を示したのは49%にとどまっており、思いのほか低いことが悲観的に受け止められていた。
それから半年。ワクチン接種意向が高まったかといえば、まだ課題は残る。
米国の慈善団体で、主要医療保険グループのカイザーパーマネンテと源流を同じくする、カイザー家族財団は1月に米国1563人を対象に調査し、過半数がいまだに消極的という厳しい結果を報告した。
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具体的にはワクチン接種済みが6%、接種をできるだけ早く行うと回答したのが41%と合わせて47%は接種に前向きだったが、様子見が31%、必要となった時のみ接種が7%、接種しないが13%と、合計53%が消極的な意向を示したのである。
12月に、消極的な層が66%を占めたのと比べると13%ポイントは改善しているが、ワクチンを受け入れる土壌が整うにはまだ遠いと思わせる結果だ。
からの記事と詳細 ( ワクチン接種懐疑論の裏側にあるまっとうな理由 - JBpress )
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