最大震度6強、マグニチュード(M)7・3を観測した13日夜の福島県沖の地震について、東北大の日野亮太教授(海底地震学)は「震源が深かったため海底の上下変動が小さく、津波も弱かった」と説明する。
◎揺れ方、建物被害少なく
地震は東日本大震災の余震で、震源は沈み込む太平洋プレート(岩板)内部の深さ約55キロ。福島県沖では震災後、大陸側プレートとの境界がゆっくりとずれ動く「余効滑り」が続く。東西方向に圧縮する力が働き、逆断層型の地震が起きた。
福島県沖では2016年11月22日にもM7・4の地震が発生。仙台港で144センチの津波を観測したが、震源の深さは約25キロだった。
震災の余震で懸念されるのが、太平洋プレート内部でも日本海溝の東側で起きる正断層型のアウターライズ地震だ。陸地の揺れは小さいが、大きな津波が発生しやすい特徴がある。
震災のような大規模プレート境界地震の後に起きやすいとされる。約3000人が犠牲になった昭和三陸津波(1933年)はアウターライズ地震で、明治三陸大津波(1896年)の地震との関連が指摘されている。
日野教授は「震災の影響は10年近くたっても弱まっておらず、今後も地震を誘発する可能性がある」と、特にアウターライズ地震への警戒を呼び掛ける。
一方、今回の地震で建物の倒壊は限定的で犠牲者はなかった。東北大の大野晋准教授(地震工学)は宮城、福島両県の地震波データを分析。揺れが1往復する時間(周期)に関し、木造家屋に大きな被害を与える1~2秒間隔の成分が弱かったと明らかにした。
周期の構成は、地震の種類や地盤で変わる。今回の地震は深夜に発生した。1~2秒の成分が強ければ建物が倒壊し、就寝中の犠牲が出た可能性もあった。
大野准教授は「屋根瓦の落下や家具の転倒につながる0・5秒以下の短周期成分が比較的強かった地点もある。建物の耐震化に加え、屋根瓦や家具を固定するなどの対策も重要だ」と話した。
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