新型コロナウイルスに対応した政府の消費喚起策「Go To キャンペーン」が混乱を繰り返している。制度の不備から無用のトラブルが相次ぎ、場当たり的な対応がとられてきた。
コロナ禍で困窮した事業者の期待を裏切らないよう、今後も運用に問題点が見つかれば、速やかに改善していかなければならない。
キャンペーンにはこれからスタートする分野もある。制度設計を万全にして、同じ轍[てつ]を踏まぬよう心してほしい。
観光支援のGoToトラベルでは、じゃらんやヤフートラベルなど大手の旅行サイトが一時、本来の割引料金を適用しないようにした。利用回数を1人1回に制限したほか、割引販売自体を中止したサイトもあった。国から割り当てられた予算が足りなくなったためだ。利用者からすればどこで予約するかによって割引が異なる不公平を生んだ。
国は全国を13地域に分け、旅行先に偏りの起きないように予算枠を配分していた。しかし10月から東京発着が割引対象に追加されたことで、大手サイトを中心に予約が急増していた。配分の仕組みや見積もりに甘さがあったことは否めない。政府は急きょ、不足業者に予算を追加配分し、地域枠も外すことで事態の収拾を図った。
外食を促進するGoToイートでも、本来の目的とかけ離れた利用が問題となった。インターネットのサイトで予約した対象店で飲食すれば最大千円分のポイントがもらえる仕組みを使い、千円より安いメニューを注文して差額を稼ぐ利用者が多発したからだ。
対象店は手数料を払わなければならず、少額の飲食では利益が出にくい。所管の農林水産省は遅まきながら、少額の利用を除外する措置をとった。制度設計の「穴」を指摘されてから埋める泥縄式の対応だった。
トラベル事業は7月下旬に始まったが、政府が開始直前になって感染者の多い東京発着旅行を対象から外し、予約のキャンセル料をめぐり混乱した。
いずれも事業開始を急ぎ、大慌てで制度設計をしたための不手際で、政府は反省すべきだ。
トラベル事業には、大手旅行サイトや人気の観光地に予約や行き先が集中し、中小の旅行会社や他の地域に恩恵が届いていないとの不満がある。
イート事業のポイント付与も含め、予約サイトへの参加が前提の制度であれば、未登録の中小飲食店などには経済効果が及びにくい。サイトに不慣れな人には手続きが分かりにくく、利用しづらいという難点もある。
今後始まる「商店街」「イベント」を含めて4分野からなるキャンペーンには、総額1兆6794億円という巨額の予算が配分される。さらに、実施期間の延長論も持ち上がっている。
利用者にとって公平公正な制度設計はもちろん、運用上の課題にも対応していくべきだ。感染防止の観点も忘れないようにしたい。
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October 17, 2020 at 03:12PM
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