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Monday, January 8, 2024

捜索救助犬が能登で懸命な活動 NPO代表・江口タミ子さん「一刻も早く 家族の元に戻したい」:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

 能登半島地震で震度6強を記録した石川県珠洲(すず)市に、埼玉県久喜市のNPO法人「日本捜索救助犬協会」の会員たちが入り、余震が続く中で土砂崩れにより家屋が倒壊した危険な現場で懸命の捜索活動に取り組んだ。6日深夜に同市に帰宅した協会の代表理事、江口タミ子さん(77)は「行方不明者は発見できなかったが、また現地入りし、ご家族の元に一刻も早く戻したい」と使命感を新たにしている。(菅原洋)

◆大量の土砂や積雪は匂いで追うのが難しい

家屋の倒壊現場で活動する捜索救助犬と江口さん(5日)=石川県珠洲市で(日本捜索救助犬協会提供)

家屋の倒壊現場で活動する捜索救助犬と江口さん(5日)=石川県珠洲市で(日本捜索救助犬協会提供)

 江口さんらが捜索したのは3カ所。いずれも崖下の近くに木造の民家があり、土砂崩れで埋まっていた。「土砂があまりに大量では、嗅覚で捜索する犬に行方不明者の発見は難しい。雨や雪が降ってもにおいが出なくなる」。江口さんは無念そうな表情を浮かべた。

 1日の地震直後、数々の捜索現場を踏んできた江口さんは「この震度では行かねばならない」と直感。石川県庁に連絡後、2日午前に4人の会員が関東各地から集結し、車3台に分乗して捜索救助犬を計5匹連れて出発した。

久喜のNPO代表・江口タミ子さん

久喜のNPO代表・江口タミ子さん

 同日中には立ち寄った石川県庁から「珠洲市へ行ってほしい」と要請があったが、現地への道路は通行止めが多く、回り道を繰り返し、同市役所に到着したのは出発から約1日後の3日午前。市の了承を得て、同日午後から自衛隊員に同行して捜索活動を始めた。

 捜索したのは生き埋めの情報がある現場。ただ、現地は行方不明者の情報が多く、捜索救助犬が足りない状況という。余震が続いて危険なためか、現場で行方不明者の家族と出会うことはなかった。避難中の住民からは捜索救助犬と一緒にいる江口さんに「自分たちも大変だが、あなたたちも大変」という言葉をかけられたという。

土砂崩れ現場で活動する捜索救助犬と江口さん(4日)=石川県珠洲市で(日本捜索救助犬協会提供)

土砂崩れ現場で活動する捜索救助犬と江口さん(4日)=石川県珠洲市で(日本捜索救助犬協会提供)

 江口さんらは捜索を続けた5日夜まで車中で連泊し、睡眠時間は1日2~3時間程度。捜索救助犬の嗅覚を阻む降雪の予報が出たため、一度帰宅することにした。

◆雪が減ったらまた

 協会は2018年の西日本豪雨の際に広島県で行方不明者3人を発見したことがある。江口さんは「まだ行方不明者も多い。雪が減れば現地の自治体にまた問い合わせ、捜索に取り組みたい」話している。

 協会の捜索活動に行政の補助金はなく、交通費や燃料費などは寄付金で賄い、自費になる場合もある。協会は今回の地震を受けて寄付を募っている。寄付は協会のホームページからアクセスする。

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