松野博一官房長官は19日午後、緊急会見し、アフリカ北東部スーダンで戦闘が激化していることを受け、在留邦人の退避のため、邦人を輸送する自衛隊機の派遣に向けた準備に入ったと発表した。
同日午後1時5分、林芳正外相から浜田靖一防衛相に対し、現地に滞在する邦人輸送の実施に必要となる準備行為を要請した。これを受けて、防衛省は邦人など輸送に向けた所要の準備を開始した。松野氏は「邦人輸送に向けて運用の面も含めて調整を行っている」と述べた。
松野氏によると、スーダンに滞在している日本人はNGO関係者や国際協力機構（JICA）関係者、日本大使館関係者や家族ら約60人。被害はなく、全員と連絡が取れている一方、水や食料が不足し頻繁に停電が起こるなど厳しい状況にあるという。松野氏は「現地邦人の安全確保のため、全力で必要な支援を行っていく」と述べた。
松野氏によると、政府は19日午後、内閣危機管理監を長とする官邸対策室を設置。関係省庁間で連携して、邦人の生命・身体の安全確保にあたる。外務省にも森健良外務次官を長とする対策室が設置された。
林外相は16日、憲法宣言に基づく民政移管を損なうものであり、深く憂慮するとともに、すべての当事者に対して即時の暴力停止を呼びかける▽今後もG7（主要7カ国）等の同志国とともに地域の関係国と協力しつつ、民政移管に向けたスーダンの取り組みを後押ししていく――との談話を発表した。
スーダンでは15日、国軍と準軍事組織「即応支援部隊（RSF）」との間で衝突が発生し、戦闘が激化。ロイター通信によると、国連スーダン特使のペルテス氏は17日、死者が少なくとも185人、負傷者が1800人に上ると明らかにした。戦闘は長引く可能性があるという。
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