3年前、NHK首都圏放送センターで東京都庁の取材を担当していた40代の男性管理職が亡くなり、8月、労働基準監督署から労災と認定されました。認定の理由などは明らかにされていませんが、NHKは、長時間労働による負担があったと判断し、職員の健康確保をさらに徹底することにしています。
※文末に遺族のコメント全文を掲載しています。
労災と認定されたのは、NHKの当時の首都圏放送センターに所属し、東京都庁の取材を担当していた40代の男性管理職で、3年前の2019年10月に亡くなりました。
遺族からの申請を受けて渋谷労働基準監督署が調査を行っていましたが、遺族の代理人によりますと先月(8月)、労災と認定されたということです。
認定の理由などの詳細は明らかにされていませんが、NHKの勤務記録では、亡くなる2か月前から半年前にかけての1か月当たりの時間外労働が、いわゆる“過労死ライン”の80時間を上回っていた期間がありました。
NHKでは、長時間労働による負担があったと判断しています。
また、NHKは、労働基準監督署から産業医による面接指導の受診率が低いと指摘されていて、健康確保の施策に不十分な点があったと受け止めています。
NHKでは、9年前に(2013年)、東京都庁を担当していた佐戸未和記者(当時31歳)が亡くなり、長時間労働による労災と認定されたことを受け、業務の体制や進め方、勤務制度の見直しなどを行ってきましたが、再び職員が亡くなり、労災認定を受けました。
NHKは、これまでの健康確保の施策を速やかに再点検するとともに、外部の有識者を加えた検討会も設け、働く一人ひとりの健康に一層留意して再発防止を徹底することにしています。
NHKは、「公共メディアをともに支える職員が亡くなり、再び労災認定を受けたことは痛恨の極みであり、大変重く受け止めています。ご遺族には心より深くおわび申し上げます。外部の有識者の意見を伺いながら、早急に健康確保の徹底を進めていきます」とコメントしています。
亡くなった男性管理職の遺族のコメント(全文)
「今般、夫の死亡と生前の長時間勤務との間の関連性が認められ、労災認定の知らせを受けました。
今はまず、私たちの主張が認められてほっとしています。
長年厳しい報道の現場に身を置き、誇りをもって懸命に働いてきた夫ですが、可愛がっていた幼い子どもを残し、突然人生が終わってしまった夫の心情を考えると今も胸が張り裂ける思いです。
NHKでは同じ職場で過去にも同様のことがあり、どうしてまたこのようなことが起きてしまったのか、大変悔やまれます。生前夫は、『自分より働いている人がNHKにはたくさんいる』とよく言っていました。私自身も、夫を守ることができず自責の念に堪えません。
職員の皆さんは、“人々の命と暮らしを守る”という高い組織理念のもと、必死に働いていると思いますが、職員の命を危険にさらすほどの勤務を認めてきた組織の風土から改めて見直し、今後は職員やその家族の人生や幸せを軽んじることのない団体に生まれ変わることを切に願っています。
残された私たち家族は、生活の拠点を移し新しい環境でそれぞれ頑張っています。どうかそっとしておいて頂きたいと思います。
最後に、私たちがここまでやってこられたのは、多くの方々に助けて頂いたからこそです。改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました」
からの記事と詳細 ( 亡くなった管理職に労災認定 NHK“長時間労働の負担あった” - nhk.or.jp )
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