福岡県篠栗(ささぐり)町で2020年4月に碇翔士郎(いかり・しょうじろう)ちゃん(当時5歳)が十分な食事を与えられず餓死した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の碇利恵被告(40)に対する裁判員裁判の初公判が6日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。碇被告は起訴内容を認め、弁護側は「ママ友」の赤堀恵美子被告(49)=同罪などで起訴=に精神的に支配されていたとして情状酌量を求めた。地裁が両被告の関係をどう判断するかが裁判の焦点となる。
検察側、弁護側の主張
検察側は冒頭陳述で、碇被告が「(赤堀被告の)うそを安易に信じ、トラブルを恐れた」として食費も切り詰め、生活費を渡していたと指摘。「生活全般を委ねて支配されていても、自由な意思は十分あった。主体的に行動するのを放棄していた」などとして、翔士郎ちゃんの死に責任があるとした。一方、弁護側は「(碇被告が)マインドコントロール状態にあった」とし、確認できただけで1370万円を赤堀被告に渡していたと主張。回復のためには社会で生活を送ることが必要だとして、執行猶予を求めた。
起訴状によると、碇被告は赤堀被告と共謀し、19年8月ごろから子供の食事の量や回数を減らし、同10月ごろからは三男の翔士郎ちゃんが勝手に外出したり食べ物を食べたりした罰などとして、食事を数日間にわたり一切与えないことを複数回継続。遅くとも20年3月下旬ごろには翔士郎ちゃんが重度の低栄養状態となったのに、十分な食事を与えず同4月、自宅で餓死させたとされる。
赤堀被告は、元夫の浮気調査や裁判費用などの名目で碇被告から児童手当や生活保護費など計約198万円をだまし取るなどしたとして、詐欺と窃盗罪でも起訴されている。碇被告とは別審理となっており、福岡地裁で続く公判前整理手続きでは起訴内容を否認しているという。
医師も救急隊員も「見たことがない」
「3月18日から24日まで食事抜き」「1日あたりの摂取カロリーは約40キロカロリー」――。検察側は冒頭陳述や証拠調べで、碇…
からの記事と詳細 ( 「7日間食事抜き」「1日40kcal」…5歳餓死、過酷な実態 初公判 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/vUc1zyd
No comments:
Post a Comment