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Saturday, March 5, 2022

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祖国に戻るウクライナ人、数万人か「自分の身に何が起きても守る」

ポーランド・ウクライナ国境では連日、医療物資などを積んだ車が列を作る=ポーランド南東部メディカで2022年3月2日午後5時27分、三木幸治撮影

(毎日新聞)

 ロシア軍による攻撃が激しさを増す中、国外から祖国を目指すウクライナ人が増えている。ウクライナでは現在、18〜60歳の男性は出国が禁止されており、武器を持ってロシア軍と戦う人が多い。祖国に向かう人々も家族、そして国を守るため、停戦まで現地に残る覚悟だという。

 ポーランドとウクライナの国境では連日、多くの車が検問所で列を作る。食料や医療物資を運ぶトラックが多いが、なかには男性が1〜2人で乗っている普通車もある。祖国で戦うことを決意した人たちだ。

 「首都キエフにいる両親を守りたい。自分の身に何が起きても、覚悟はできている」。入国手続きを待つイバンさん(36)は、厳しい表情でそう話した。キエフで大学を卒業後、2013年にウクライナ人移民が多いカナダに渡り、プログラマーの職を得た。両親に仕送りをしつつ、生活基盤を築いてきた。だがロシア軍の侵攻後、家族が心配で夜も眠れなくなった。両親は「危険だから、ウクライナに戻らなくていい」と言ったが、会社に事情を告げて休暇を取り、隣国のポーランドに渡った。同国在住の友人とともに車にできる限りの物資を積み込み、キエフを目指す。

 だが、ポーランド国境からキエフまでは車で通常8時間かかる。幹線道路を使う場合、今月1日に巡航ミサイルの被害に遭った西部ジトーミルなどを通ることになる。「危険なのは分かっている。恐怖心だってある。でも車で行くしか方法はないんだ。何もせず、家族を失う方が怖いよ」。イバンさんは言った。ウクライナは徴兵制があり、イバンさんも約1年間軍隊にいたが、実戦経験はない。「これまで全く想像していなかったけど、武器を持つことになるだろう」。ウクライナからロシア軍がいなくなるまで、帰国するつもりはないという。

 ポーランドで5年間、トラック運転手として働いてきたロマン・ハルバンコさん(45)は、ロシア軍の攻撃が激しさを増した2月28日、故郷の西部リビウに帰ることを決めた。ポーランドに戻ることは考えておらず、家財道具は全て処分してきたという。

 リビウには妻と子供3人が暮らす。まだ小学生の次男と三男を比較的安全な農村部に避難させた後、自らはロシア軍との戦いに参戦するつもりだ。「家族のためにも死にたくはない」と話すが、「破壊された街を見ることにもう耐えられない。美しいウクライナを取り戻したい」と決意を語った。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は2月24日、市民に武器を配ることを約束し、街を守るように求めた。呼び掛けに応じ、国外から祖国に戻ったウクライナ人は数万人とされる。一方、ゼレンスキー氏は同27日、「ウクライナ、欧州、そして世界を守りたい人は誰でもウクライナ人とともに戦うことができる」とする声明を発表し、外国人義勇兵も募った。義勇兵への応募者は1万6000人に達しており、一部はウクライナに到着したという。【メディカ(ポーランド南東部)三木幸治】

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