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Friday, March 11, 2022

ロシア軍が首都キーウに迫り、南部でも激しい攻撃 ウクライナ侵攻15日目 - BBC.com

Ukrainian soldier in the snow

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3週目に入った10日、同国の主要都市でロシア軍の攻撃が続いた。同軍は首都キーウ(キエフ)に向け前進している模様。ウクライナ側は民間人の死傷者が増え続けている。

マリウポリの惨状

南部の港湾都市マリウポリからは悲惨な状況が伝えられている。

報道によると、ロシア軍の激しい爆撃が9日間続いており、食料や医薬品の入手が難しくなっている。住民らは雪を溶かして水を得るなど、深刻な人道危機の懸念が高まっている。

人口約40万人の同市は、ロシアの支援を受けるウクライナ東部の反政府勢力が、南部クリミアの部隊と合流する上での要所となっている。

ロシア軍に包囲されており、爆撃は無差別になっている模様。集合住宅が破壊され、住宅地も壊滅的な被害を受けている。BBCが10日に現地で撮影されたと確認した動画では、砲撃を受けていることがわかる。これは、同市議会が出した、爆撃が続行されているとする声明と合致する。

ウクライナのドミトロ・クレバ外相はこの日、マリウポリの状況は国内で最も厳しいと話した。

A woman carries her belongings following a Russian strike in Mariupol

画像提供, Sergei Orlov

前日9日にあった同市の病院の爆撃では、産科・小児科病棟が破壊され、少女1人を含む3人の死亡と、17人の負傷者が確認された。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、爆撃を「残虐行為」と非難した。

この病院についてロシアは10日、しばらく前からウクライナ軍によって占拠されており、軍事施設だったと主張した。だが、米AP通信が現地で撮影した写真からは、爆撃後、妊娠中の女性が担架で病院の外へ運ばれた様子が見て取れる。

セルヒィ・オルロウ副市長は同日、路上に残されたままの死体の収容と埋葬を市当局がようやく開始できるようになったとBBCに話した。市内のこれまでの民間人の死者は、推定1300人に上っているという。

副市長は、「個人の墓を確保できる可能性はない。砲撃が続き(死者の)人数が多いからだ。集団墓地に埋葬している」と述べた。

マリウポリでは過去5日間、住民らの避難が計画された。しかし、停戦が合意されたにもかかわらずロシア軍の砲撃が再開されており、避難は実現していない。

オルロウ副市長によると、10日には市民約100人が自家用車で市外への脱出を図り、ウクライナ当局が設置した検問所を抜けた。しかし、ロシア軍が車列近くを攻撃をしたため、Uターンせざるを得なかったという。

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首都にロシア軍が迫る

首都キーウ近郊でもロシア軍が攻勢を強めている。

米マクサー・テクノロジーズの人工衛星写真では、ロシア軍の車列の状況から、同軍がキーウ近郊で再編成を進め、首都に向けてさらなる攻撃を計画している様子がうかがえる。

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同社によると、写真からは、キーウ近郊のアントノフ空港の北西にいたロシア軍の車列が、キーウ周辺の街に移動している。北側にいた別の車列もルビャンカ付近に移動し、砲撃の陣地を構えたことも見て取れるという。

一方、アメリカの国防当局者は、ロシア軍が過去24時間でキーウに向けて5キロ前進したと話した。

Map showing areas of Ukraine that are under Russian control

キーウの北西に位置するブチャでは、ロシア軍の砲撃が絶えず、住民らは地下シェルターへの避難を余儀なくされている。

弁護士のドミトロ氏(30)は、女きょうだいと母親、74歳と83歳の祖母2人と共に、避難することを決めた。

しかし間もなく、祖母の1人が歩けなくなり、家族が祖母を引きずるようにして安全な場所まで移動したという。

「おばあちゃんは、置いて行ってと訴えた。私たちの足手まといになりたくないと思っていた。でも愛する人を残していくことなどできなかった」と、ドミトロ氏は話した。

R to L - Dmytro with his mother, grandmother, neighbour and sister

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はビデオ演説で、政府の支援によって約4万人が10日に避難したと説明。ここ2日間で最大10万人が避難したとした。

大統領はまた、ウクライナ軍が攻撃を受けている都市などに、食料や医薬品などの重要物資を送り届けることができたと述べた。ただ、マリウポリと、その近くのヴォルノヴァハは「完全に封鎖状態のままだ」とした。

Map showing areas of Ukraine that are under Russian control

侵攻後初の外相会談

ロシアがウクライナ侵攻を開始してから初となる両国の外相会談が10日、トルコで開かれた。

ウクライナのクレバ外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、話し合いを続けることで合意した。しかし、停戦合意に向けた実質的な進展はなかった。

双方の主張には大きな隔たりがある。ラブロフ氏は、ウクライナの非武装、中立化を要求。クレバ氏は、降伏を求めているのと同じだとして、受け入れられないとした。

クレバ氏は「ウクライナは降伏していないし、これからも降伏しないと繰り返し言う」と述べた。

一方のラブロフ氏は、ロシアの軍事作戦は計画どおりに進んでいると主張。ロシア政府は、要求に対するウクライナ政府の回答を待っていると述べた。

同氏はまた、西側諸国がウクライナに武器を提供し、紛争を激化させていると非難した。西側の制裁については、「私たちは対応し、生活のどの面においても西側に頼らないようにあらゆる努力をすると断言する」と述べた。

ロシアの全面侵攻でウクライナの被害は拡大しており、これまで230万人以上が国外に逃れたとみられている。

lavrov meets kuleba

画像提供, Reuters

アブラモヴィッチ氏に制裁

ウクライナで戦闘が続く中、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と関係のある個人や企業への報復的な制裁が次々と実施されている。

アブラモヴィッチ氏とロシア政府の関係は不透明なままだ。プーチン大統領が大目に見ているに過ぎないという人がいれば、関係はもっと密接だと主張する人もいる。

Roman Abramovich and Vladimir Putin

画像提供, Mikhail Svetlov/Getty Images

ロシアが対抗措置

オリガルヒに対する制裁は、西側がロシアを相手に実施しているさまざまな措置の一部でしかない。

アメリカとイギリスは、ロシア産の原油の輸入を禁止している。ロシアの銀行は国際決済システムから排除され、中央銀行は資産が凍結されている。

ロシア国民の生活に浸透している外国企業も、次々と同国での事業を停止している。国民は金持ちかどうかに関係なく、ビッグマックを食べることも、ネットフリックスを見ることもできなくなっている。

こうした状況で、ロシアは数々の対抗措置を発表。農業機械や通信機器などの製品などの輸出を禁止するとした。また、外国企業の資産を差し押さえる可能性があると警告した。

ただ、禁輸リストには金属などの原材料が含まれておらず、一連の措置は象徴的な意味合いが強い。

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