このレトロ感が逆に新しい!
最近はガジェットもファッションもレトロ復活ブームですが、若い世代にとっては「復活」ではなく、初めてみる新しく新鮮なモノなんです。なのでおじさんおばさんがしたり顔で「懐かしいねぇ。これ昔はさぁ」なんて語るのは野暮なんでしょうね。…野暮でもいいから、言わせて! この画面の色味なっっっっつかしい!
米Analogue社が開発するゲーム機「Analogue Pocket(アナログ・ポケット)」は、ゲームボーイなどかつて一世を風靡したゲーム機と互換性をもつ、レトロゲーマーには夢のような端末です。全世代のゲームボーイカセットを実際に挿して遊べるのが胸熱。発表されてからずいぶんと時間がたってしまいましたが、ついにでた! さっそく米Gizmodoがレビュー、いわく「最高! レトロゲーム好きはすぐ買って!」だそうです。
アナログ・ポケット(以下ポケット)の存在が発表されたのは、2019年10月。予約開始が2020年8月。待ちに待ったポケットが、ついに編集部にやってきたぞー! 長い待ちだったけど、待った甲斐がありました!
ここ5年ほど、Analogue社といえば、さまざまなレトロゲーム系端末で注目を集めてきました。一般的にレトロゲーム端末は、ソフトウェアエミュレーターを使うことで昔のタイトルをプレイするという手法なのですが、Analogue社はまったく異なるアプローチをとっています。端末に搭載されたカスタムFPGA (Field-Programmable Gate Array)チップにプログラムすることで、元祖ゲーム機と同じようにコンソールとして扱えるのが魅力。このおかげで、昔のゲームカセットをそのまま使え、コマが飛んじゃうこともなければ、グラフィックの違和感も音ズレもなし。あの時遊んだそのままを楽しめる。むしろ元祖ハードよりももっといい状態で楽しめてしまうというね。
Analogue Pocket(アナログ・ポケット)
これは何?:エミュレーターなしでオリジナルのゲームカセットをそのまま遊べるゲームクローン機。
価格:もともと200ドルだったものの、世界的なサプライチェーン問題で219ドルへ値上げ。
好きところ:レトロゲームを高画質スクリーンでプレイできる。画面の各種モード最高。
好きじゃないところ:サイドにある音量ボタンが小さくて扱いずらい。カセットアダプターが使いづらい。待ち時間約2年という焦らしプレイが辛かった。
レトロゲームを高画質スクリーンで!
箱から出して手に持った最初の感想は、思ってたよりも若干大きいなということ。初代ゲームボーイと比較すると、確かにほんの少し大きいんですけど、縦横比など全体的なサイズ感はほぼ一緒。たぶん、これわざとですよね。時代が進んだ分、薄くはなっています。だって、電池いれるとこいらないですから。むしろ、ゲームボーイに電池4本もいれてたという事実に今となっては驚きます。お小遣いで電池買ったのはいい思い出。
今まで編集部でレビューしたレトロゲーム用端末は、オリジナルよりもかなり小さいサイズだったので、ポケットのあえてのサイズ感が嬉しい。持った瞬間にあの頃が蘇る気分です。でも、さすがに2021年ですから、ディスプレイはあの頃と同じでは済ませていない。Analogue社のこのバランス感覚、見事だと思います。3.5インチ(1600 x 1440)のLCDディスプレイ。初代ゲームポーイの画素数が2万3040、一方でポケットは230万4000(615ppi)。比べる意味もないほど違いますね。ちなみに、iPhone 13 Proは460ppiです。
ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、セガゲームギアのタイトルは、どれもポケットのスクリーンで美プレイできます。グラフィックがはっきりシャープ。もしかしたら、ゲームデザイナーが当時テクノロジの限界で再現できず頭の中だけで描いた絵はコレなのかも。『マリオゴルフGBAツアー』の芝の青さは、当時よりも明るくビビット。記憶にある色ではないかもしれないけれど、ある意味これが本物の色なのかと思うと楽しくなりました。
あの時遊んだあのゲーム
ゲームエミュレーターでは、当時のゲーム感をだすためのフィルターはあるあるです。Analogue社のポケットは、これをディスプレイモードを作ることで再現。ディスプレイモードはプレイ中に切り替え可能。個人的には、このディスプレイモードがポケット最高の機能だと思います。ポケットが互換性があるいろいろなゲーム機の画面の特徴をうまく掴んでモードに落とし込んでます。通常モードのシャープな白黒から、記憶の中のゲームボーイ画面のあの特徴的なグレーっぽいやつ、緑っぽいやつまで、機種ごとでモードがあるのが素晴らしい!
あの頃のゲームが問題なく完璧にプレイできます。いや、あの頃以上の使用感。だって、画面が光るので暗いところでも遊べるんですから! さらにズームができるので、ゲーム画面をピクセルアートとしてじっくり見るのもまたよき。
同じレトロゲームでも、Atari Lynxやネオジオポケットカラーは今のところ非対応。ちなみに、ゲームボーイのタイトルは1:1に近いアスペクト比ですが、ゲームボーイアドバンス向けのタイトルはもう少し横長なので上下に黒帯が入るレターボックス表示で対応しています。
ゲームが主役のミニマルデザイン
主役はあくまでもあの頃のゲームということで、ハード自体のデザインはいたってシンプル。最低限のミニマルデザインです。表面のボタンにもいっさいラベリングなし。これ見た目もクールだし、アイディアとしては素晴らしいのですが、ちょっと困ることもあって…。
ゲームプレイ中に「Aボタンを押してください」的な流れありますよね。その時に、え、どれ?どっち?ってまごついちゃう。慣れれば大丈夫なのかもしれませんけれど。表面のマット加工はかっこいいのですが、指がすべるのは残念。
左サイドにはグリーンの電源ボタンがあり、プレイ中はスリープ・スリープ解除の役割もあります。電源ボタンの上には、画面の明るさ調整も兼用の音量ボタンあり。上下両方一緒に押すとミュートになります。これがなぁ、かなり小さいんです。プレイ中に音量調整しようとすると、ボタンが小さすぎて電源ボタンヒットしてスリープになることが何度もありました。
右サイドにはmicroSDカードスロットあり。ポケットはネット接続がないので、ファームウェアアプデはこれでやります。将来的には、保存したゲームデータ共有などにも使えるのかな?
端末サイドにはスピーカーグリルあり。音量マックスにするとそれなりに大きな音がでますが、内蔵されているスピーカーサイズを考えるとまぁそこまで大きいはずもなく。そんなもんだろうってくらいの音量です。
下部には、充電用のUSB-Cポート、ステータ表示用LED、イヤフォンジャックあり。ゲームボーイカラー向けにリンクケーブルと赤外線ポートもあり。
ミニマルデザインはハードだけなく、Analogue OS全体にも。黒背景に白テキストというシンプルの極みのようなホーム&設定画面。Analogueとしては初代ハードでプレイしたのを同じ体験を再現するのが端末の目的なので、手動でフレームレートなどがないのは、いじる必要は特にない、という感じなんでしょう。
ゲームカセットは持参で
中国からレトロゲームエミュレーターを個人輸入するとよくあるのが、たくさんのタイトルがぎっしりつまったメモリーカードが付属になってるというパターン。法的にアウトですよね、あれ。ポケットにはゲームタイトルはついてきません。プレイしたいゲームは、自分でカセットを入手する必要があります。もし、お手持ちゲームROMを使いたい場合使うことはできるのですが、法的な部分はユーザー責任ですので。すでにカセット持っているという人は、差し込むだけ!
ゲームボーイとゲームボーイアドバンスのカセットは互換性ありなので、どちらもポケットのスロットにいれるだけ。ちょっと長いカセット、あれは前からみると少しはみ出します。初代ゲームボーイでは電源をオンにするとカセットがロックされていましたが、ポケットではカセットロックがないので、電源を落とさなくてもカセットの入れ替えが可能。ただ、入れ替えする時はホーム画面でやってね、途中でカセット抜くとゲーム終わっちゃうので注意。
ポケットはセガゲームギアにも対応ですが、カセットアダプタが必要。プレイ自体は問題なし。将来的には、Atari Lynxやネオジオのアダプタもでそう。しかし、複数社のゲーム機を1台でやろうと思えば、どこかほころびもでるわけで。ポケットの場合は、非任天堂タイトルは、カセットが飛び出ちゃう。まぁ、しゃーない!
レトロゲーム好きはマストバイです!
かつて遊んだレトロゲームが今も好き。あの時と同じようにポータブルで楽しみたい。そういう人はアナログ・ポケットはマストバイです。買って後悔しません。219ドルは安くはない。安くないけど、敬意を込めてその価値ある端末です。もっと安いエミュレーターは確かにありますが、ポケットの使いやすさ、ゲームプレイの完璧さは群を抜いています。
本当に長く待った甲斐がありました。思った通りの、レトロゲーマーが夢見た通りのアイテムに仕上がっています!
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