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Sunday, October 10, 2021

指示役が「書類審査」と称して犯罪歴尋ね、通信アプリで犯行計画書を共有…「闇バイト」の実態 - 読売新聞オンライン

 インターネット上で犯罪行為に勧誘する「闇バイト」の募集に応じ、強盗予備罪などに問われた男の公判で、犯罪に至るまでの詳細が明らかになった。指示役が「書類審査」と称して犯罪歴を尋ね、通信アプリで犯行の計画書を共有。システム化された手口が垣間見える。(藤岡一樹)

 男は高松地裁で公判中の接客従業員の被告(25)。強盗目的で結束バンドなどを準備した上、香川県東かがわ市の民家を訪ね、その後侵入するなどしたとして起訴された。

 被告人質問などによると、被告は、金に困ってSNSで「裏バイト」「高収入」「タタキ(強盗の隠語)」などのキーワードで検索。ツイッターで闇バイトの指示役側に接触し、以降は一定時間が経過するとメッセージが消える通信アプリ「テレグラム」で連絡を取り合い、強盗グループへの参加を申し込んだという。

 「書類審査」があり、「ブラック(闇バイト)経験はあるか」との問いに、「タタキの経験あります」と返信。身分証明のため、運転免許証の写真も送ったという。

 実行役に選ばれ、昨年5月21日、もう1人の実行役の男と高松市内で合流。指示役とテレグラムで犯行計画書を共有し、翌22日、ガス会社の点検作業を装い、東かがわ市の男性宅に侵入した。

 計画書には、男性宅に約800万円が保管され、男性の妻が入院中だと記載されていた。現金を奪い、岡山県で指示役側に一部を渡した後、大阪府で報酬を受け取る手順だった。

 しかし、男性は以前にも特殊詐欺被害に遭いそうになっており、警戒していた香川県警が被告ら2人を逮捕した。

     ◇

 強盗、放火、特殊詐欺……。闇バイトに応募し、犯罪に手を染める事件が後を絶たない。

 一方で、闇バイトは一度犯罪行為に加わると簡単に抜けられなくなる。

 大阪府藤井寺市の民家で昨年9月にあった強盗事件。実行役の男は公判で、指示役から「やめれば妻子に危害を加える」と脅され、強盗を繰り返していた。

 闇バイトを抜ける行為は「飛び」と呼ばれ、報復としてSNSで個人情報がさらされるなどするという。大阪府警や警視庁などは、闇バイトを募る投稿を探し、閲覧者への警告文を書き込んでいる。

 関西国際大の高橋浩樹教授(犯罪心理学)は「SNSが犯罪行為を後押しするツールになっている。表現の自由もあり、不審な投稿の規制は難しく、対策が追いついていないのが現状だ。安易な気持ちで闇バイトに手を出してはいけないと、啓発を続けていくしかない」と語る。

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