新型コロナウイルスのワクチン供給をめぐり、政府内の調整を担う河野太郎行政改革相の対応が混乱に拍車をかけている。モデルナ製ワクチンを使う職域接種は、新規受け付けが止まったまま。申請済みの企業や大学でもスケジュールの先行きは不透明だ。
驚きが広がったのが、6日の河野氏の記者会見での発言だった。
「6月末で供給を受けたモデルナのワクチンは1370万回分」。これまで伏せてきたモデルナ製ワクチンの実際の供給量を明らかにした。混乱のもととなった職域接種の受け付け休止から、10日以上がたっていた。
政府は昨年10月、モデルナ社と5千万回分のワクチンの供給契約を締結。当時の厚生労働省の発表では、今年6月末までに4千万回分、9月末までに残り1千万回分の供給を受けることになっていた。実際は6月末の時点で4千万回分の約3分の1の数量しか入っていなかった。
さらに河野氏は、モデルナ社から6月末までの供給量が減らされることを知ったのは「大型連休前くらい」だったことも明かした。職域接種への影響を問われると「まったくないと思う」と述べた。
企業や大学での職域接種の申請受け付けが始まったのは6月8日。申請が殺到し、職域接種が本格的に始まった2日後の23日、新規受け付けの一時休止を発表した。その後、同じモデルナ製を使う自治体の大規模接種と合わせて申請が供給上限の5千万回分を超過したことが判明した。
本当に職域接種への影響はなかったのか。野党からは「モデルナの供給が減り、1370万回分にとどまっていることが、職域接種の申請を止めている一つの要因では」(日本維新の会の東徹氏)との疑問の声が上がる。受け付け済みでも、計画通りにワクチンが送られてこなかったり、配送時期が見通せなかったりする企業や大学は多い。
河野氏はこれまで、「職域接種はフロー(流れ)の問題だ。モデルナ製ワクチンの輸入総量の問題ではなく、1週間ごとに輸入できる量の上限が今、限界に来ているということだ」と説明。「ワクチンを配送することができるかという、シンプルにその数字」が問題だと強調する。だが、政府関係者は「モデルナの生産能力が落ちていた」。政府のワクチン担当者の一人は「総量も足りていない」と認める。
「本末転倒」と自治体首長から批判
こうした河野氏の説明に、与…
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