さいたま市大宮区のネットカフェで17日に発生した人質立てこもり事件では、窓のない防音の個室が立てこもりに利用された。外部と遮断され、完全なプライベート空間として利用者に好評だった一方で、内部の様子が確認できず、人質の解放や容疑者の逮捕まで約32時間もの時間がかかった。こうした個室は過去にも様々な犯罪の現場として利用されてきたとみられるが、埼玉県警によると、直接規制する法令がないのが実情という。(石井貴寛、宮川徹也)
今回の事件で利用されたネットカフェの個室は、カラオケボックスのようにレバーを操作してドアを開け閉めする。ドアや鍵を閉めると防音された密閉空間になり、外部との連絡はフロントとつながったインターホンだけになる。
カラオケボックスとの大きな違いは、窓がないことだ。アクリル板が取り付けられているが不透明で、室内にカメラもなく、外から内部をうかがえない。利用客には「仕事の合間の昼寝に便利」などと好意的な意見もある。
だが、ある県警幹部は「ネットカフェは一般に、薬物の密売や児童買春などに悪用されやすいとみていた」とする。ただ、「まさか立てこもりにまで使われるとは」と加えた。
県警によると、今回のような形態の個室を直接、法令で規制するのは難しいという。
風俗営業法(風営法)では「喫茶店、バーその他の設備を設けて客に飲食をさせる営業」で「他から見渡すことが困難」であり、「広さが5平方メートル以下である客室」については「区画席飲食店」と定義される。各都道府県公安委員会の許可が必要となり、24時間営業もできない。
からの記事と詳細 ( 窓なし防音の個室「まさか立てこもるとは」…薬物密売・児童買春への悪用懸念、直接規制の法令なし - 読売新聞 )
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