「何とか6月中旬までにワクチンを届けてもらえないでしょうか」
前首相の安倍晋三に、台湾総統の
台湾は新型コロナウイルスの感染封じ込めに成功し、「世界の模範」(前米厚生長官のアレックス・アザール)と称されたが、5月に感染者が急増した。台湾総統府はワクチン確保を急いだが、独ビオンテック製ワクチンの契約が、「中国の介入で合意できない」(蔡)事態にも陥った。
そこで蔡に加えて、外交部長(外相)の
台湾は東日本大震災後には多額の義援金を、コロナ禍ではマスクや防護服を日本にいち早く送るなど、国際社会でひときわ親日姿勢を見せてきた。苦しむ台湾に支援の手を差し伸べるべきだとの声は一気に広がり、日本政府も動き始めた。
台湾に送るワクチンは、英アストラゼネカ製に白羽の矢が立った。同社製は昨年8月、日本への1億2000万回分の供給が決まり、今年5月に日本国内での製造販売も承認され、製造も始まっていた。ただ、日本は米ファイザーや米モデルナのワクチンを既に確保済みで、アストラゼネカ製で接種後ごくまれに血栓が生じる例が海外で報告されていたこともあり、日本国内の使い道が未定だった。
5月24日、安倍政権で首相補佐官などを務め、副総理兼財務相の麻生太郎に近い自民党衆院議員、薗浦健太郎は、謝長廷の代表公邸に招かれ、米駐日臨時代理大使のジョセフ・ヤングと会食した。台湾にアストラゼネカ製ワクチンを供与する案を説明した薗浦に、ヤングは満足げに深くうなずいた。中国へのけん制を強める米国のバイデン政権にとってワクチンの「日台協力」は歓迎すべき動きだった。
からの記事と詳細 ( 台湾・蔡総統からの電話「何とか届けてもらえないでしょうか」…[政治の現場]ワクチン<10> - 読売新聞 )
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