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Friday, April 9, 2021

県内配分ワクチン少なくて…接種対象者の絞り込み迫られ、自治体は「本末転倒だ」 - 読売新聞

 65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が、埼玉県内で来週から始まる。ただ、4月中に届くワクチンの量は、優先的に割り当てられる11市町でも1460人分、その他の市町村では485人分しかなく、各自治体は接種対象者の絞り込みを迫られている。本来は国が全ての接種対象者分のワクチンを確保すべきだが、自治体担当者からは「わずかなワクチン量に合わせて対象者を限定するのは本末転倒だ」との声も上がっている。

 県などによると、ワクチンは県内に今週から3週間をかけて、まずは9市2町に975人分ずつ、計1万725人分が届く予定だ。最も早いさいたま市には8日にも届く。26日の週には、これら11市町も含め、全63市町村に485人分ずつが届くという。

 さいたま市は県内で最も早く、12日にも高齢者向けにワクチン接種を始める予定だ。市内には65歳以上の高齢者は30万人以上いるが、配分されるワクチンは1460人(0・5%)分しかないため、市は高齢者施設の入所者を優先して接種することにした。だが、市担当者は「施設入所者に絞っても約2万人の高齢者がいる。配分された量では全く足りない」と頭を抱える。

 川口市も19日から、高齢者福祉施設の入所者を対象に接種を始める。それでも対象者は約1万人に上るため、市内に住民票がある入所者が多い7~8施設を優先して接種する。

 三郷市も高齢者福祉施設の入所者にまず接種するが、従業員も接種対象とする。市担当者は「入所者だけでは十分な感染対策にならないため」と説明する。

 一方、接種対象者の年齢を「65歳」よりも引き上げて、対象者の数を絞り込む自治体も多い。

 19日の週に接種を始める戸田市は、接種対象者を「85歳以上」と設定し、8日から接種券の発送を始める。これにより、高齢者施設入所者も含め、接種対象者は約4000人にまで絞れるという。ワクチン量は1460人分しかないため、それでも足りないが、市担当者は「予約が殺到する事態をある程度は避けられるだろう」とみている。

 春日部市と寄居町は「90歳以上」にまで年齢を引き上げた。寄居町内の90歳以上の人は約600人。このほか高齢者福祉施設の入所者のうち、希望者約600人にも接種する。町担当者は「85歳以上だと、4月中のワクチン量の1460人を上回るおそれがあった。様々な試算を重ね、収まるようにした」とした上で、「ワクチンの量に接種する人数をあわせるという、本来とは逆の対応をせざるを得なかった」と話した。

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