「これだけコロナ感染が拡大してからでは、遅すぎる」と立憲民主党の幹部は批判する。 GoToトラベルの一時停止をはじめ、コロナ対応で有効な対策が打ち出せない菅政権。新規感染者数、重症者など数値は悪化する一方だ。直近の世論調査でも、緊急事態宣言の発出が「遅い」と回答が共同通信で79%、TBSで83%と国民の8割が「遅さ」を指摘している。 「これまで、経済優先の対応をしてきた菅さんは、緊急事態宣言はずっと渋ってきた。専門家会議でそういう意見が出ても『今は、出すつもりはない』と頑なだった。今回は知事から申し入れがあった首都圏だけに限定することで、緊急事態宣言の発出をOKした。その最中に大阪や愛知でも新規感染者が急増して、緊急事態宣言を求める知事の発言が続いた。大阪や愛知もとなると、全国の知事から要請があれば、すべて発出しなければ公平性が保てない。それもあって記者会見で『様子を見て』と発言。それが決断力がなく、弱腰と批判を浴びた」(官邸関係者) 一方、緊急事態宣言の発出が決まった大阪府と兵庫県、京都府。最初に、3府県で要請を持ち出したのは、大阪府の吉村洋文知事だ。 「東京都の小池知事が首都圏で要請したのを見て、大阪府も同じように申し入れすべきと兵庫県、京都府と連携した。特に吉村さんはこれまで兵庫県とはコロナ対応ではバトルをしてきた過去があるので、今回は慎重に調整した」(大阪府幹部) 昨年3月、新型コロナウイルスの感染拡大直後、吉村氏は「大阪府と兵庫県の往来自粛」を一方的に呼びかけた。事前に知らされていなかった、井戸敏三知事は不快感をあらわにし、「不要不急の場合、大阪との往来を自粛」と逆襲。 そして吉村氏が兵庫県を名指ししたために「大阪も(兵庫のことを)言っているようなので、あえて大阪と書いています」などと主張し、両者はギクシャクしていた。
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