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Saturday, November 14, 2020

「米史上最も多様性のある政権目指す」バイデン内閣有力候補に女性ずらり - 東京新聞

ミシェル・フロノイ元米国防次官(米シンクタンク、新米国安全保障センターのホームページより)=共同

ミシェル・フロノイ元米国防次官(米シンクタンク、新米国安全保障センターのホームページより)=共同

 【ワシントン=金杉貴雄】米大統領選は13日に全50州と首都ワシントンの結果が出そろい、勝利した民主党のバイデン前副大統領(77)は、新政権の閣僚人事の準備を本格化させている。初の女性副大統領候補に指名したハリス上院議員(56)だけでなく「米史上最も多様性のある政権」を目指しているといい、重要閣僚の有力候補に女性の名がずらりと並んでいる。

◆黒人、LGBT…上院承認がカギ

 「米国を表すような(多様性のある)政権にしたい」。バイデン氏は7日の勝利演説で、女性や人種的少数派(マイノリティー)を積極的に登用する考えを表明した。

 新閣僚のうち米メディアの予想が最も多いのが国防長官人事。オバマ前政権で国防次官だったミシェル・フロノイ氏(59)が有力視される。就任すれば、第2次大戦後の同ポスト創設以来、初の女性長官となる。

ライス氏=ロイター・共同

ライス氏=ロイター・共同

 外交を担う国務長官には多数の名前が出ているが、元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のスーザン・ライス氏(55)も有力候補の1人。ただライス氏はオバマ前政権当時は、対中重視で日本に冷淡だったとの懸念も指摘されている。

 経済のかじ取り役の財務長官の本命とみられるのが、ラエル・ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事(58)だ。司法長官にはサリー・イエーツ元司法長官代行(60)が検討されていると9日、ロイター通信が報じた。

ブレイナード氏=ロイター・共同

ブレイナード氏=ロイター・共同

 ほかに副大統領候補としても名前が挙がった中南米系のルハングリシャム・ニューメキシコ知事(61)、アジア系のダックワース上院議員(52)、黒人のバス下院議員(67)ら非白人女性の入閣も取り沙汰されている。

 左派では、民主党の大統領候補者選びで一時トップに立ったウォーレン上院議員(71)の起用を期待する声が強い。

ウォーレン氏=ロイター・共同

ウォーレン氏=ロイター・共同

 LGBT(性的少数者)ではやはり大統領候補者選びで健闘し、ゲイを公表している中西部インディアナ州サウスベンド前市長、ブティジェッジ氏(38)の国連大使などへの登用が指摘されている。

 だが問題は、「上院の壁」だ。閣僚就任には上院の承認が必要。民主党は大統領選と同時に3分の1が改選された上院選(定数100)で過半数奪還を目指したが伸び悩んだ。

 採決同数の場合は副大統領となるハリス氏が上院議長を兼務し決裁票を投じるため、民主党は半数50議席で主導権を握れるが、現状は48議席止まり。残り2議席は年明けの決選投票で決まるが、共和党が過半数を維持するとの見方が出ている。

 仮に共和党が徹底的に反対すれば、バイデン氏の構想実現には暗雲が漂う。

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