28日投開票の衆院3補欠選挙で、自民党が選挙戦術の転換を余儀なくされている。政治資金パーティー裏金事件の余波で、派閥が候補を全面支援する選挙戦を展開できなくなったためだ。唯一の与野党対決となり、岸田文雄政権の命運をも左右する島根1区で、自民はある作戦に乗り出した。カギになるのは「秘書団」の動向だ。
保守王国に逆風、焦る自民幹部
「政治資金の問題で大変な政治不信を招いております。心からおわびします」
補選が告示された16日、自民の小渕優子選対委員長は島根1区から立候補した自民新人の出陣式に駆け付け、深々と頭を下げた。
自民は東京15区、長崎3区で候補の擁立を見送り、既に「2敗」が確定。立憲民主党元職との一騎打ちとなった島根1区は絶対に譲れない議席だ。
島根は「保守王国」として知られ、竹下登元首相や「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元参院議員会長(いずれも故人)らが強固な地盤を築いてきた。
松江市などを含む島根1区では、小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降、細田博之前衆院議長が9回連続で当選した。
ところが、今回は全く様相が異なる。
2023年11月に死去した細田氏は晩年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係やセクハラ疑惑で批判を浴びた。さらに、会長を務めた安倍派(当時は細田派)で6億円を超える政治資金収支報告書の不記載が発覚。細田氏の後継候補となる自民新人の支援体制が揺らいでいるのだ。
ポスト、金、選挙…かつては「派閥丸抱え」
「選挙はまず、派閥でやるものだ」。党関係者がそう語るように、派閥は政策の議論だけでなく、ポストや金の配分、そして所属議員への選挙支援などを活動の柱に据えてきた。
選挙時には経験豊富な派閥の秘書団が陣営の選対に入り、選挙活動を取り仕切る。派閥幹部も連日、選挙区に入り、応援演説や企業・団体回りなどでてこ入れを図る。
派閥が支援した候補者が当選すれば派閥の勢力維持や拡大につながり、支援を受けた議員は派閥に忠誠を尽くす。
かつて政界の「闇将軍」と呼ばれた田中角栄元首相(故人)は…
からの記事と詳細 ( 読む政治:自民の選挙戦術に異変 裏金事件で派閥崩壊、カギ握る「秘書団」 - 毎日新聞 )
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