アウディーイウカは、ウクライナ東部ドネツク州の中央部に位置し、州の中心都市ドネツクの15キロほど北に位置します。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻において長く攻防が続いてきた激戦地の1つです。
アウディーイウカは、ヨーロッパ最大級とされる製鉄用のコークス工場がある工業都市です。
2014年以降、親ロシア派の武装勢力とウクライナ軍による戦闘が行われてきた場所で、ドネツク市が親ロシア派に支配されてからは、政府側の最前線の防衛拠点となってきました。
おととしウクライナに侵攻したロシア軍は、ドネツク州全域を掌握する足がかりとして、侵攻開始当初からアウディーイウカへの攻撃を続けてきました。
おととし5月にはコークス工場が攻撃を受け、10人が死亡するなど、市民にも被害が相次いでいます。
これに対しウクライナ軍は強固に防衛し、ロシア軍を撃退し続けてきました。
去年10月ごろから、ウクライナ側で欧米からの支援に頼る弾薬の不足が指摘されるなかで、ロシア軍は犠牲をかえりみない大量の人員や兵器を投入し、攻撃を強めていきました。
イギリス国防省は去年11月下旬、ロシア軍は過去6週間、これまでで最も多くの犠牲者を出しているとした上で「アウディーイウカへの攻撃が大きな要因だ」と分析していました。
ロシアのプーチン大統領は先月、演説で「現在、戦闘が続いている最も重要な地域の1つがアウディーイウカだ」と述べ、攻勢を強めていく姿勢を示し、来月の大統領選挙を前にアウディーイウカの掌握を重要な戦果だと国民に向けてアピールするねらいがあるとみられてきました。
一方、地元の市長によりますと、激しい戦闘により市街地はがれきと化し、生活インフラのほとんどが停止したということです。
また侵攻前には3万3000人いた住民の多くは退避し、今月上旬には市内に残るのは900人ほどだと市長は明らかにしています。
ゼレンスキー大統領は去年12月、現地に激励に訪れたと発表し、みずから撮影した動画も公開していました。
また今月就任したウクライナ軍のシルスキー総司令官は14日、ウメロフ国防相とともにアウディーイウカの前線を視察したと発表し「極めて困難な状況にある」としたうえで、「兵士の命を守るため必要な緊急の決定を独自に下す権限を指揮官に与えた」と述べ、形勢が急速に悪化した場合の対応策も示していました。
からの記事と詳細 ( ウクライナ軍総司令官 東部アウディーイウカからの撤退を発表 | NHK - nhk.or.jp )
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