岸田文雄首相(自民党総裁)の「岸田派解散宣言」が波紋を呼んでいる。自民の政治刷新本部で派閥の在り方について議論が続く中、本部長の首相がいち早く解散の方向性を打ち出したと受け止められているからだ。首相の言動を評価する声もあり、22日に開かれる刷新本部会合に注目が集まる。自民は25日に中間報告をまとめる方向だ。
「改革案や再発防止策をしっかりと作っていきたい」。自民の茂木敏充幹事長は21日のNHK番組で、派閥パーティー収入不記載事件を受けた党の対応についてこう述べた。
派閥を巡っては、首相が岸田派(宏池会)の解散検討を表明した18日夜以降、安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)が解散を決めた。
党内では「派閥解消の流れが進む」(無派閥の中堅議員)、「自民の救世主、守護神だ。自民を救うには派閥解消という決断しかなかった」(安倍派重鎮)などと首相を称賛する声が上がるが、反発も少なくない。
「派閥の悪弊は是正しなければならないが、無くしたところでまたグループはできる。政権を生き残らせたいだけのように感じる」
二階派の中堅議員は首相をこう批判した上で、「(議論の最中に)トップが方針を打ち出してしまった。(派閥に厳しい世論を意識した)ポピュリズム(大衆迎合主義)だ」と断じた。
茂木派(平成研究会)幹部も「22日も刷新本部で意見を聞くのに、総裁が方向性を決めるようなことをしたら意味がなくなる」と強調。同派中堅は「アホくさくなってきた。民主主義とは何だ。勝手に一人でやっていればという感じだ」と突き放した。
刷新本部の16日の会合では派閥に関して解散と存続で意見が割れた。岸田派解散宣言が自民分断の芽となる可能性は否定できない。派閥存続を目指す麻生派(志公会)幹部はこうつぶやいた。
「問われているのは政治資金収支報告書への不記載の問題だ。首相は派閥の問題にすり替えようとしているのではないか」(内藤慎二)
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