岸田首相襲撃、黙秘続ける木村隆二容疑者の鑑定留置決まる…週内にも開始へ - 読売新聞オンライン

　岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、火薬類取締法違反容疑で再逮捕された無職木村隆二容疑者（２４）について、和歌山地検が刑事責任能力の有無などを調べる鑑定留置を請求し、和歌山地裁が認める決定を出したことが関係者への取材でわかった。鑑定留置は週内にも始まるとみられる。

　木村容疑者は４月１５日午前、和歌山市の漁港で、衆院和歌山１区補欠選挙の候補者の応援演説に訪れた首相に向けて筒状の爆発物を投げ込んだとして威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された。首相にけがはなかったが、近くにいた聴衆ら２人が負傷した。

　木村容疑者は逮捕後の調べに黙秘している。和歌山県警は爆発物の使用に関する爆発物取締罰則違反容疑や殺人未遂容疑での刑事責任追及も視野に、投げ込まれた筒の構造や威力を調べている。

　動機については不明だが、木村容疑者は昨年６月、公職選挙法の被選挙権（３０歳以上）を満たさず、３００万円の供託金も用意できないため参院選に立候補できないのは憲法に反するとして国家賠償請求訴訟を起こしていた。同年１１月の１審・神戸地裁判決で請求は棄却され、大阪高裁での判決が今月２５日に予定されている。

　捜査当局は、選挙制度への不満が動機の一つとなった可能性があるとみている。一方で、黙秘していることなどから事件時の精神状態を詳しく調べる必要があると判断したとみられる。

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