【ニューヨーク=金子靖志】日本政府が10年後の2033年に次の国連安全保障理事会非常任理事国入りを目指す方針を決めたのは、苦渋の決断でもある。中国とロシアが取り込みを進める「グローバル・サウス」と呼ばれる新興・途上国との連携を深めるために出番を譲ることで、日本自らは安保理メンバーの長期不在を余儀なくされる。
非常任理事国の「アジア・太平洋」枠(54か国)には、東南アジア諸国連合(ASEAN)や中東諸国などの新興・途上国が多い。安保理筋によると、こうした各国は近年、「経済成長で国力を付け、理事国入りに名乗りを上げるケースが増えてきている」という。
日本はすでに加盟国で最多の12回、非常任理事国に選出されている。24年までの今回の任期後の再選の機会を当面見送るのは、「経済・外交関係を重視する(アジア・太平洋枠の)新興国に配慮せざるを得ない状況に置かれている」(国連外交筋)ためという。
しかし、安保理での不在が長期化すれば、核・ミサイル開発などを続ける北朝鮮への対応などに影響が出かねず、「日本の国連外交にとって大きな痛手となる」(国連外交筋)との声も漏れる。すでに32年の非常任理事国選挙に手を挙げているモルディブに対抗する形となっても、自ら出馬を表明することになった。
日本は、ドイツ、インド、ブラジルとともに、機能不全も指摘される安保理を拡大する改革案に取り組む立場だ。常任理事国入りを目指す姿勢を表明しつつ、非常任理事国選挙に立候補することには自己矛盾が指摘され「改革そのものの実現性にも影響が出かねない」(国連外交筋)との懸念も出ている。
からの記事と詳細 ( 非常任理事国32年出馬、日本政府が苦渋の決断…グローバル・サウスに出番譲る - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/mk2d0SH
No comments:
Post a Comment