作家・評論家の古谷経衡氏(40)が、8日告示されたれいわ新選組の共同代表選に立候補した。同党幹部でもない民間人が代表選に名乗りを挙げるのも驚きだが、そもそも保守系論客として知られる古谷氏は、れいわの掲げる政策や主張と相いれないのでは。いったいなぜ出馬したのか聞いてみた。(特別報道部・西田直晃)
◆「党の基本理念と私の保守理念は重なる」
「れいわはもう少し保守的な主張を前面に出せば、党勢拡大を狙えるという思いを抱えていた。それに反原発、対米自立などで、党の基本理念と私の保守理念は重なっている」
9日、古谷氏は「こちら特報部」の電話取材にこう切り出した。れいわの代表選は結党以来初で、山本太郎代表の任期満了に伴い行われる。従来は山本氏の一人代表だったが今後は共同代表制になる。候補者は古谷氏、山本氏が単独で出馬、大石晃子・櫛渕万里両衆院議員がタッグで出馬。大石・櫛渕陣営以外が当選の場合は、他の立候補者の中から共同代表を指名する。
開票結果は18日に公表され、任期は来年1月1日から3年間。国会議員や党役員、統一地方選の立候補予定者、党員・党友に当たるオーナーズとフレンズらが投票に参加する。
8日の会見では、各候補が自身の主張を展開した。山本氏は「これから中規模政党になり、政権交代の一翼を担う存在に発展するためにも、もう少しかじ取りを任せてほしい」と強調。大石、櫛渕両氏は雇用の安定、女性の社会進出加速などをアピールした。
◆「出馬は自身の判断」話題作りを否定
今回の代表選の特徴は、立候補に必要な党所属国会議員の推薦人が「1人」と少なく、議員経験や党員・党友資格がなくても、代表選管が認めれば出馬できるとした点だ。他の主要政党はいずれも「党所属の国会議員」に立候補を限定し、必要な推薦人を「20人」(自民)、「20〜25人」(立憲民主)、「10人」(公明)などとする。
とはいえ、「少年時代からの保守主義者」を自任する古谷氏と、れいわの各議員は共存できるのか。古谷氏は「私が加われば中道政党になる」と語り、「共同代表になれば従来の公約を全て踏襲する」と意に介さない。さらに、公約への追加を検討する事項として、横田基地の軍民共用の申し入れ、防衛予算の見直しと自衛隊装備の充実などを挙げており、「対米自立は短期間に実現できるものではなく、2029年までに非自民の連立政権に参画し、その枠組みの中で米国に圧力を掛けていく」と先を見据える。
また、話題作りとの見方に対して、「それは全く違います。山本代表に頼まれたわけではなく、出馬は自身の判断」とも述べた。
◆識者「代表戦後には国政選挙を戦って」
いずれにしても異例の出馬だが、政治評論家の有馬晴海氏は「抜き打ち的に『じゃあ参加します』というのは普通では考えられない。出馬に至る経緯を正確に有権者に説明しなければ、出来レースだと思われてしまうのではないか。もっと丁寧に説明する義務がある」と指摘する。
ただ、代表選に多様な顔触れがそろったことは評価できるとし、「山本氏頼みの政党だったのが、公党として変わるために必要な代表選だ。古谷氏は本気で政治を動かしたいなら、代表選後に国政選挙を戦って、議席を獲得することも考えてほしい」。
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