【キーウ=川上大介】ロシア国防省は3日、一方的な併合を進めるウクライナ南部ヘルソン州で、ウクライナ軍が「防衛網深くに侵入した」とし、苦戦を認める異例の発表をした。地元の親露派幹部も「複数の集落を失った」と述べた。
ウクライナ軍の戦車部隊が優勢という。ロイター通信は3日、ウクライナ軍がドニプロ川西岸沿いに1日で約30キロ進軍したとし、ロシアの侵略開始後、「南部では最大の突破」と報じた。米欧が提供する武器や、衛星情報が後押ししているとみられている。
東部でもウクライナ軍はドネツク州北部の要衝リマンから、ルハンスク州の拠点都市リシチャンスクやセベロドネツクに向け進軍している。露軍側は、ウクライナ軍がルハンスク州に入ったことも確認した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3日のビデオ演説で「複数の州で新たに集落を奪還した」と強調した。ウクライナ大統領府は4日、ロシアによる東・南部4州の一方的な併合宣言を受け、プーチン露大統領とは交渉「不可能」だと確認する大統領令を公表した。
一方、露上院は4日、下院に続き、東・南部4州の併合「条約」の批准を全会一致で承認し、関連法案も可決した。プーチン氏の署名で併合手続きが完了する。
英紙ザ・タイムズは3日、専門家の分析として、露国防省で核兵器を担当する部局の機材を積み、ウクライナ方面に向かう列車が、露中部で確認されたと報じた。ロシアが核搭載可能な無人原子力潜水艇「ポセイドン」の発射試験に向けた準備を進めているとの報道もある。
からの記事と詳細 ( ロシア国防省、苦戦認める異例の発表…「ウクライナ軍が防衛網深くに侵入」 - 読売新聞オンライン )
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