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Thursday, October 20, 2022

トラス英首相、辞任を表明 就任から45日で在任期間は最短 - BBCニュース

Prime Minister Liz Truss making a statement outside 10 Downing Street, London

画像提供, PA Media

イギリスのリズ・トラス首相が20日、辞任を表明した。首相就任から45日しかたっておらず、実質的な在任期間は史上最短となる見通し。与党・保守党は今月28日に党首選を終える予定。一部報道によると、ボリス・ジョンソン前首相が党首選に出馬する可能性があるという。

トラス氏は午後1時半(日本時間同9時半)ごろ、首相官邸前で記者団を前に声明を発表。保守党の党首を辞任すると、チャールズ国王に伝えたと明らかにした。

トラス氏は、自分は「経済と国際情勢が非常に不安定な」時期に首相に就任したと説明。

イギリスはあまりにも長い間、低経済成長によって抑制されてきたとし、「これを変えるための信任を保守党から得て」党首に選出されたと述べた。

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そして、光熱費対策と国民保険料の引き下げを実現し、「低税率・高成長経済」のビジョンを打ち出したと主張。

だが、「この状況では、保守党による自分の選出につながった信任を果たせないと認識」したと話した。

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トラス氏はさらに、保守党の党首選を采配する「1922年委員会」のグレアム・ブレイディー委員長とこの日、面会したと説明。両者は来週、党首選を開くことで合意したという。

トラス氏は、後任が決まるまで首相を務めるとした。

ブレイディー氏は、今月28日までに新たな党首を決める見通しだと発言。党首選には党員も投票する予定だとした。これまで、党員投票は省かれるとの見方が出ていた。

一方、最大野党・労働党のキア・スターマー党首や、野党・自由民主党のエド・デイヴィー党首、スコットランド国民党(SNP)などは、即時の総選挙を要求した。

トラス政権は、先月23日に当時のクワジ・クワーテング財務相が種々の減税策を含む「ミニ・バジェット」(小さな予算)を発表し、金融市場に不安感を引き起こしたことをきっかけに危機に陥った。クワーテング氏は早々に解任された

保守党内では不穏な空気が生まれ、やがて首相に対する怒りとなって広がっていった。

前日19日には、ガス採掘のフラッキング(水圧破砕法)をめぐる投票で、与党・保守党の一部議員が、政府の意向に沿った投票を強要された疑惑も浮上した。同日には、スエラ・ブラヴァマン内相も突如辞任。トラス氏の辞任を求める声は、いちだんと高まっていた。

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誰が党首選に出るのか

英紙タイムズと同デイリー・テレグラフによると、ボリス・ジョンソン前首相が保守党の党首選に出馬する可能性があるという。タイムズによると、ジョンソン氏は「国益のため」だと考えているという。

ジョンソン氏は相次ぐ不祥事をめぐり閣僚など政府要人が一斉辞任したのを受けて、今年7月に党首を辞任したばかりで、それを受けた党首選でトラス氏が勝利して首相に就任した。

ジェレミー・ハント財務相はトラス氏の辞任表明から早々に、自分は党首選に出るつもりはないと発表した。

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夏の党首選で決選投票をトラス氏と争ったリシ・スーナク元財務相は、まだ意向を示していないが、出馬する意向だという報道も出ている。7月にジョンソン氏が辞任に至ったのは、財務相だったスーナク氏らが辞任したことがきっかけとなった。

党首選で3位になったペニー・モーダント下院院内総務は、「落ち着いてこのまま続ける」とコメントするにとどまった。

他方、野党からはジョンソン前首相が党首選に出る可能性について、批判の声が続いている。

野党・労働党のスターマー党首は、ジョンソン氏について「首相としての資質に欠けると考える」と述べ、「(保守党が)この実験、この混沌(こんとん)、経済へのこの打撃を経た上でなお、時間を3カ月巻き戻して、職務にふさわしくないとされた人間にまた立ち返るというなら、それは国民に害を与えるだけでなく、国民を侮辱することになる」と批判。そのようなことになれば国民は「自分たちに何も言わせないのか」と反論するはずだと述べた。

野党・自由民主党のデイジー・クーパー副党首は、「保守党議員たちがボリス・ジョンソンの官邸復帰を検討しているというそれだけで、いかに現実が何もわかっていないかが明らかだ。自分たちにとってのルールと、それ以外の人のルールは別物だと考えているのだ。ボリス・ジョンソンは、数限りないうそとスキャンダルと失敗を経て、不名誉な辞任に追い込まれた。政府への国民の信頼を破壊し、イギリスを政治的危機に追い込んだ。彼が二度と首相官邸に近づくなど、認められてはならない。この国の未来は有権者の手にあるべきで、この混沌の原因になった保守党議員たちが決めるべきではない」とコメントした。

総選挙は?

ジョンソン前首相の辞任から間もないトラス首相の辞任表明を受けて、野党はただちに総選挙を実施するよう要求している。しかし、次の総選挙が予定されているのは2025年1月。前回の総選挙は2019年12月だった。下院議員の任期5年に選挙期間を加えると、議員の任期満了に伴う総選挙の期日はそうなる。

これ以前に総選挙を実施するには、首相が議会を解散するか、下院による首相不信任案の可決が必要になる。

首相不信任案は、賛成票が1票でも反対票より多ければ可決される。しかし、定数650議席のうち与党・保守党は356議席を占めているため、多くの保守党議員が保守党政権に不信任票を入れない限り、不信任案は可決しない。

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