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Friday, October 14, 2022

東工大と東京医科歯科大 2年後めどに統合で基本合意 - nhk.or.jp

統合を協議していた東京工業大学と東京医科歯科大学は、2年後をめどに新しい1つの大学になることで基本合意しました。
世界レベルの研究力のある大学を目指すとしています。

東京工業大学の益一哉学長と東京医科歯科大学の田中雄二郎学長は、記者会見し、14日、統合についての基本合意書を締結したことを明らかにしました。

2つの大学は、それぞれの大学を残して運営法人のみを統合する案と、大学も統合する案との主に2つの案を検討してきましたが、国立大学の統合に必要な法改正を経て、2年後の2024年度をめどに新しい1つの大学になることで合意したということです。

新たな大学名はまだ決まっておらず、2028年3月までを移行期間として、組織改編も含めて具体的に議論するとしています。

2つの大学は、いずれも研究力が国内最高水準だとして国が指定している「指定国立大学」の1つで、10の大学しかない「指定国立大学」どうしの統合は実現すれば初めてです。

また、大学の国際競争力を高めるため国が年内に公募することにしている10兆円規模の「大学ファンド」の運用益の配分を受けられる「国際卓越研究大学」への認定を申請することも検討していて、工学や医学などの分野で世界レベルの研究力のある大学を目指すとしています。

東京医科歯科大学の田中学長は「2年ほど前に『医工連携』を進めてみませんかと私から声をかけた。新しい大学を誇りに思えるようにしていきたいので時間をかけて支持を得ていきたい」と述べました。

東京工業大学の益学長は「大学の長い歴史や実績、伝統は大事にしたいという思いもあり、葛藤の中で議論を進めた。一方で、世界に打って出るだけの新しいものを生み出せたのか危機感があり、新しい道を築くことが必要だと考えた」と述べました。

東京工業大学は国内有数の理工系の大学で、大学生と大学院生は合わせて1万人余りに上ります。

また、東京医科歯科大学は、医学部と歯学部のほか大学病院などを有し、3000人余りの学生がいます。

永岡文部科学相「構想実現されれば大きな意義」

永岡文部科学大臣は記者会見で、「歴史ある両大学が、それぞれの強みや特色を掛け合わせるこの構想が実現されれば大変大きな意義がある。文部科学省としては、この構想が日本の高等教育の発展に寄与するものになることを期待しつつ、両大学の検討状況を注視していきたい」と述べました。

記者会見 主なやりとり

14日に行われた、東京工業大学と東京医科歯科大学の統合についての記者会見の主なやりとりです。

Q. 統合協議の議論は水面下ではいつごろから始まったのか?
A. 東京医科歯科大学・田中雄二郎学長
私が最初にお声がけをした。2年くらい前になるが、東京工業大学の益学長を訪ね、『連携推進法人』という仕組みがあるので、『医工連携を進めてみませんか』という話をした。それがきっかけで、いろいろな可能性について、議論が始まったと記憶している。

Q. 長い歴史のある両大学が統合するということについて、大学関係者から厳しい意見はあったか?
A. 東京工業大学・益一哉学長
私自身、東工大の卒業生だ。卒業生として、東工大の長い歴史、実績、伝統、これは大事にしたい。一方で、新しい東工大はどうあるべきか、社会にどう貢献するのかということが頭にある。同じことは卒業生にも、在学している人にも、教職員にもあり、葛藤の中でいろいろな議論を重ねてきた。実は昨日も学内の説明会で、非常に厳しい批判や意見、不安、懸念を頂いた。でもそれらは、東工大にいる人がすべて、社会にこれからどう貢献していくのかということを真剣に考えてのことだと感じて、新しい道を築くことが東工大にとって必要であり、それをいっしょにやってくれる東京医科歯科大の存在があるということで合意に至った。
A. 東京医科歯科大・田中学長
学内の意見交換会ではいろんな質問や意見を募集し、100件以上集まったが、おおむねポジティブだった。学内の説明会で、『1法人1大学ということで医科歯科大の名前がなくなる』という話もしたが、それに対して、『非常に寂しい』、『残念だ』、『憧れて入ったのに』という意見もあった。私はそういう人たちも、新しい大学を誇りに思えるような大学にしていきたいので、時間をかけて支持を得たい。

Q. 新大学の名称は?公募するのか?
A. 東京工業大学・益学長
『公募しますか』という質問に『イエスかノー』で答えれば、現時点では、未定ということが正しいかと思う。
A. 医科歯科大学・田中学長
みんなが覚えられる名前にしたい。

Q. 国は研究力の高い大学を『国際卓越研究大学』として数校を指定し、数百億円規模の支援を予定している。申請する予定は?
A. 東工大・益学長
両大学は、『指定国立大学法人』に指定されている。当然、研究大学として、これからの日本の成長発展を考えると、その後押しになる『国際卓越研究大学』のプログラムがあるのであれば、統合とは関係なく、検討していました。今回、我々大学がどうあるべきか、どうありたいかということで統合ということを決断したわけだが、目的はやはり、知の創造、産業界の創造で、そのために、『国際卓越研究大学』のプログラムが合致するなら前向きに考えたい。

Q. 研究力の低下が指摘されている。統合によって、どのように変わっていくのか、具体的な道筋は?
A. 医科歯科大・田中学長
医科歯科大学も含めて、教員は非常に疲弊感が強い。その理由は、たとえば研究費を次から次へと出さなければならず、研究報告書も書かないといけない。特に医科歯科大学の場合は、それに加えて、臨床の仕事も、教育の仕事もある。研究補助員みたいな、サポートする業務の人を手厚くしたい。それからもう一つは、評価でも、診療と教育と研究の3つができないとだめだというそういう評価ではなく、その人が得意なものを評価していくという形に役割分担していくことを考えている。
A. 東工大・益学長
疲弊しているというのは、新たなプログラムができて、いろいろな支援もあるが、そのために教員が本来やりたいと思っている研究に割ける時間が少なくなっていることが一番大きい。『統合なんてしたら、時間がなくなるぞ。いいかげんにしろ』という意見もある。なので、少なくとも統合することで、多くの方の仕事量が増えない形で統合したいと思っている。ある程度人を投入しないとできないとは思っている

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