新型コロナの水際対策がまた一つ緩和された。これまで入国をためらう要因とされてきた陰性証明書の提示は、ワクチンを3回接種すれば免除となる。しかし、コロナ前に訪日外国人の3割を占めていた中国人観光客の増加は見込めない。それはなぜなのか。中国人富裕層向けの日本旅行のプロモーションを手がける「行楽ジャパン」の袁静社長に聞いた。
――7日の水際対策の緩和の影響をどう見ていますか。
私たちがターゲットにしている中国の富裕層にはほとんど関係ないでしょう。なぜなら中国から日本への旅行のほとんどが個人旅行だからです。コロナ前の2018年では7割、19年でも8割近くが個人旅行客です。富裕層ではパッケージツアーを利用して旅をする人はほとんどいません。今回の緩和は個人旅行を解禁せず、パッケージツアーに限っているので、あまり効果はないでしょう。
――中国政府は海外旅行の自粛を指示しているため、日本への渡航は難しいようですね。
10月の共産党大会が終わるまでは、どういう政策が打ち出されるか不透明です。ただ、往来できたとしても、今は航空券が片道20万円ほどするので、富裕層でなければしばらくは来ることができないですね。
――中国人富裕層はどのような旅行スタイルが一般的だったのでしょうか。
観光庁の資料によれば、1回の旅行で使う金額が100万円以上が富裕層とされています。そこまではいかなくても、中国の人は3年か5年のマルチビザを使って何度も日本を旅行する人が多いです。コロナ前は、思い立ったら上海から福岡まで90分なので、ラーメンを食べに行こうとか、週末を利用して日本の温泉旅館でのんびりするといったスタイルでした。
「一気に回復」は難しいけれど…来年以降の見通しは明るい?
――今回の緩和で添乗員なしの自由行動ができるようにはなりましたが。
若い人はインターネットで調…
からの記事と詳細 ( 中国人観光客、水際緩和だけでは戻らない? 心に響いた日本の魅力:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/PRiTAtH
No comments:
Post a Comment