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Friday, August 26, 2022

遺族「苦渋の終結」 三菱電機の新入社員自殺、和解の理由は:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 三菱電機で2019年夏にあった男性新入社員(当時20代)の自殺をめぐり、遺族と同社が和解した。遺族側の代理人が26日、会見して明らかにした。三菱電機は当時の教育主任によるパワーハラスメントが原因だったことなどを認めたという。遺族が出したコメントの全文は次の通り。

    ◇

 息子を亡くしてから3年の月日が経ちましたが、この度「苦渋の終結」として、三菱電機と和解をすることにしました。

 私たちが和解を決断した理由は、①本件について合意の過程で社長からも三菱電機の法的な責任を認めて謝罪をうけ、合意の文書にも法的責任と謝罪が明記されたこと、②何度も同種事件を引き起こしてきた三菱電機の企業風土を根本から見直し、社内からパワハラを一掃するよう、今度こそ二度と本件のような事件を引き起こさないよう組織を挙げて全力で取り組むことを約束したこと、③ハラスメントに関する処分事例は社内で適切に公表し、業務の改善と改革の実施状況の報告を今後、私たちに定期的に報告を行うことを約束したことがあげられます。④そして直接加害者及びその上司に対する処分内容(直接加害者:出勤停止7日、その上司:譴責(けんせき))については到底納得できるものではないですが、三菱電機が今回の事実認定及び量刑の判断について謝罪し、今後は慎重に行うことを約束したことも考慮して、さらに裁判となり解決まで長い時間を費やすよりは、と考えました。

 パワハラは、受けた人間ひとりと周りの人たちの人生までも狂わすものです。三菱電機には、今後さらに真剣に職場環境の改善に真剣に取り組んでいただく必要があり、三菱電機の企業風土が生まれ変わったといえるかは、私たち遺族に約束したことをきちんと実行できるかといった今後にかかってくると思います。今後は、パワハラ被害者に対する会社の対処をくれぐれも間違えることのないよう切に願うとともに、三菱電機が本当に変わったといえるのか、私たち遺族は今後も注視してまいりたいと思います。

 本日、合意に至りましたが、三菱電機側がどんなに謝罪を述べたとしても、再発防止を約束したとしても、息子は二度と生きて帰ってくることはありません。3年経った今でも息子のことを思うと胸が張り裂ける思いです。自分自身の一部を失ったに等しいこの喪失感は一生なくなることはないでしょう。

 息子のような苦しくつらい思い、私たちのような大切な子どもを亡くして体が引き裂かれるような思いをされる方を二度と出してほしくありません。それを切に願います。短い間ですが、息子が一緒に働いた友人や社員の方々が安心して働くことができる様、切に希望いたします。

 二度と悲しいニュースは聞きたくありません。三菱電機には息子の死を無駄にすることなく、今後、会社としてのあり方を改めて考えていただき、二度とこのようなことが起こらないように改善していただきたいです。

 三菱電機に限らず、全ての職場で、二度と同様の事件を起こさない、ハラスメントの無い職場環境を構築して欲しいというのが私たちの願いであり、この和解がその一助になればと思います。

       2022/8/23 親族一同

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