イタリアのドラギ首相が21日午前、マッタレッラ大統領に辞意を伝えた。大統領府が発表した。政権は暫定的に継続するが、10月にも前倒し総選挙が行われる可能性が高まる見通し。
連立政権を構成する主要3政党が20日に行われた議会での信任投票で支持を撤回したため、政権崩壊は避けられない情勢だった。
イタリア10年債利回りは一時21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.60%を付け、イタリア株も下落した。
伊首相辞任でイタリア債急落、ユーロは対ドルで上げ失う-欧州株下落
欧州中央銀行(ECB)前総裁である首相が率いる政権の抑えを失った議会が改革に合意できなければ2000億ユーロ(約28兆円)の欧州連合(EU)からの支援が得られないほか、前倒し選挙となれば2023年予算の審議も滞る。
20日に議会上院で実施された信任投票では政権が信任された形となったものの、コンテ前首相が率いる連立の一角「五つ星運動」のほか、中道右派の「同盟」とベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」が投票を棄権したことから実質的な意味を持たなかった。
首相は先週、連立政権を構成する政党の支持が得られていないとして辞意を表明。「五つ星運動」が政権の経済危機対応を批判して内閣信任投票を棄権したことがきっかけとなった。ドラギ首相は20日の上院 演説では連立政権を立て直すことは可能だと強気の姿勢を見せていた。
「同盟」と「フォルツァ・イタリア」は「五つ星運動」抜きでの新しい連立を求め、上院で強く主張したが、ドラギ氏は党首らによる妥協の試みに応じなかった。
原題: Draghi Resigns as Premier, Throwing Italy Into Political Chaos(抜粋)
(第3段落以下を追加して更新します)
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