【ワシントン=田島大志】米紙ニューヨーク・タイムズは1日、ウクライナ軍が東部ハルキウ(ハリコフ)州イジュームを訪れていたロシア軍制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長を標的に、集中攻撃を行ったと伝えた。ゲラシモフ氏は直前に立ち去り、攻撃を逃れたという。
同紙がウクライナ軍と米政府高官の話として伝えたところによると、ウクライナ軍は、ゲラシモフ氏の現地入りを察知して4月30日夕、露軍が前線基地にしているとされる学校に激しい攻撃を仕掛けた。ゲラシモフ氏はこの日午前に学校を訪れていた。この攻撃で、露軍の司令官ら約200人が死亡したという。
イジュームはウクライナに侵攻した露軍が東部ドネツク、ルハンスク(ルガンスク)両州の全域制圧を目指すための進軍拠点になっている。
ロシアは2月24日のウクライナ侵攻開始後、将官の戦死が相次いでおり、ウクライナ側の情報収集能力の高さが指摘されている。ウクライナ軍当局者は、「ゲラシモフ氏でなく、(露軍の)重要な拠点を狙った攻撃だ」と強調しているが、軍最高幹部による最前線入りという異例の動きも、把握していた可能性がある。
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