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Tuesday, April 26, 2022

首相「経済対策2段階で」 エネルギー確保へ原子力活用 - 日本経済新聞

岸田文雄首相は26日、首相官邸で記者会見を開き物価高に関する緊急対策を表明した。民間資金を合わせた事業規模は13兆円とし、2段階のアプローチで実施すると述べた。エネルギー市場の安定に向けた手段として原子力発電の活用促進に言及した。

知床半島の観光船遭難 「関係省庁で全力をあげ捜索」

冒頭、北海道・知床半島沖のオホーツク海で観光船が遭難した事故の犠牲者に「心より哀悼の意を表するとともに家族にお悔やみを申し上げる」と話した。

行方不明者について「関係省庁で全力をあげて捜索、救助活動に取り組んでいく」と強調した。旅客船の事業者に点検を実施して安全を確保すると説明した。

国土交通省に法的規制も含めた安全対策について議論する検討会を設置するよう指示したことを明らかにした。「検討会での検討を踏まえたうえで安全対策について考えていきたい」と力説した。

経済対策「2段階で万全の経済財政運営」

経済対策に関連し「原油価格や物価の高騰が新型コロナウイルス禍からの社会経済活動の妨げになることはなんとしても防がなければならない」と指摘した。「2段階のアプローチで万全の経済財政運営を行う」と言及した。

第1段階として物価高などの総合緊急対策を実施すると表明した。財源として4月中に一般予備費、新型コロナ予備費の使用を閣議決定すると明かした。

新型コロナ対策や原油価格・物価高騰対策予備費の確保などに充てる。「いかなる事態が生じても国民生活を守り抜けるよう万全の備えをとる」と説明した。

6月までに新しい資本主義ビジョン

第2段階は6月までに新しい資本主義のビジョンと実行計画、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を策定する考えを示した。

原油価格の高騰の対策は石油元売りへの補助金の上限を1リットルあたり最大25円から35円に引き上げる。新たな制度では基準価格を168円に引き下げ、ガソリン価格が200円を超えても168円の水準に抑える仕組みにする。

地方創生臨時交付金で「1兆円の原油価格、物価高騰に対応した枠を新設する」と提起した。地方自治体で地方の実情にあわせて物価高騰などに対応した事業者の負担の軽減などを「きめ細かく行えるようにする」と説いた。

ウクライナ危機の対応として「ロシアやウクライナに輸入の多くを頼っていた半導体原料やパラジウムなどの産業用原材料の調達多様化を進める」と訴えた。

エネルギー確保「原子力の活用進める」

エネルギーの安定供給を重点施策にあげた。省エネ住宅の支援や再生可能エネルギーの利用を推進すると語った。「極力、輸入資源に頼らないエネルギー構造に転換する」と唱えた。

「再エネの最大限の導入と原子力の活用を進めることもエネルギー市場の安定化のために極めて大切だ」と説明した。

大型連休のコロナ対策「臨時の無料検査場拡充」

大型連休中のコロナ対策にも言明した。3年ぶりに新型コロナ対策の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が適用されていない大型連休となると指摘し「油断は禁物だ」と発言した。

①ワクチンの3回目接種の促進②検査の活用③基本的な感染防止対策の徹底――の3点を呼びかけた。連休中に主要な駅や空港などで臨時の無料検査場を拡充すると指摘した。

日韓関係「新政権と緊密に意思疎通」

日韓関係について「韓国の新政権と緊密に意思疎通を図っていきたい」と話した。「韓国の新政府側の立場をよく見極める」と説いた。

ロシアによるウクライナ侵攻に関し「アジアを含めて国際秩序を揺るがす行為でありとりわけ東アジアで許してはならない」と力説した。

日米豪印の首脳会合やバイデン米大統領の訪日について「実施に向けて日程を調整中だ」と語った。6月にドイツでの開催が予定されている主要7カ国首脳会議(G7サミット)の機会も活用し「平和秩序を守り抜く首脳外交を戦略的に展開したい」と主張した。

為替「急激な変動好ましくない」 2%目標「継続期待」

足元の円安基調には「水準について具体的に申し上げるのは控えなければならない」と述べた。「急激な為替の変動は多くの関係者にとって好ましくない」と言明した。

2%の物価上昇を目指す日銀の金融政策にも触れ「引き続き努力を続けてもらえるよう政府として期待する」と訴えた。

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