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Monday, January 31, 2022

公立学校で2558人の教員不足 深刻な実態浮き彫り 文科省初調査 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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写真はイメージ=ゲッティ

 文部科学省は31日、全国の公立学校のうち1897校が2021年度の始業日時点で、産休などで欠けた教員の代役となる「臨時教員」(常勤講師)を補充できず、2558人の「教員不足」が発生していたと発表した。5月1日時点でも欠員を解消できず、1591校で2065人の不足が生じていた。産休や育休を取得する教員の増加や、代役となる講師の候補者不足などが原因とみられる。

 文科省が「教員不足」について全国調査をするのは初めて。学級担任がいないため、校長ら学校運営全体を担う管理職が代役をこなす事例も報告され、深刻な実態が浮き彫りとなった。

 16年度に文科省が実施した調査では、公立校で中学校は6割近く、小学校は3割以上の教員が「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をしていた。公立校の労働環境は慢性的に切迫しており、各校で欠員が少数でも負担は大きい。専門家も「深刻に受け止めるべきだ」と指摘している。

2021年度始業日の公立学校の「教員不足」数 拡大
2021年度始業日の公立学校の「教員不足」数

 調査は、公立学校の人事権を持つ都道府県・政令市の教育委員会などを通じ、全国のほぼすべての公立小中学校、高校、特別支援学校の計3万2903校を対象に実施した。都道府県や政令市が本来、それぞれの学校に配置するとしている教員数が満たされていない事例を「教員不足」と定義。昨年4月の始業日と5月1日の時点の学校数と人数を報告するよう求めた。

 この結果、始業日時点の欠員は、小学校937校1218人▽中学校649校868人▽高校169校217人▽特別支援学校142校255人――だった。欠員が生じた学校の割合は小学校4・9%▽中学校7・0%▽高校4・8%▽特別支援学校13・1%。

 これが5月1日時点では、小学校794校979人▽中学校556校722人▽高校121校159人▽特別支援学校120校205人――となり、一定の補充が進んだものの、欠員の解消には遠く及んでいない。

 「教員不足」の要因についても、需要と供給の両面から各教委に尋ねた。需要増の理由は、産休や育休の想定以上の増加が最も多く、約8割の教委が「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と答えた。供給減の背景では、教員採用試験に合格したり、民間企業に就職したりして講師のなり手が減っていることを挙げる教委が多かった。

 小学校の学級担任は、始業日で356校462人、5月1日時点で367校474人が欠員となっていた。多くの場合、担任を持つ予定ではなかった教員がカバーしていたが、校長や教頭などの管理職が代役を務めるケースが5月1日時点で53件あった。中学・高校でも教科担任が一時的に不足する事例が報告された。

 文科省の担当者は「授業が長期間実施できないなど学びが止まっているような事例はないと考えている」とする一方、「予定していた学校運営ができなかったり、教員の負担が増えていたりする可能性があり、望ましくない状態だ。解消に向けた努力をしたい」と話した。【大久保昂】

佐久間亜紀・慶応大教授(教育学・教職論)の話

 先生が1人いないだけでも、数十人の児童・生徒に影響が及ぶ。2500人以上が未配置となっていた事態を、政府は深刻に受け止めるべきだ。欠員の代替となる講師を比較的確保しやすい年度初めにこれだけ足りないということは、年度後半は、もっと状況が悪化していると考えられる。

 講師不足が起きるのは、講師に依存した学校運営が常態化していることに加え、教員の仕事の過酷な実態が知られるようになり、志望者自体が減っているからだ。学校現場の人員を拡充し、「働き方改革」を早急に進めていく必要がある。

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