2021年5月1日時点で全国の公立小中学校の学級担任を務めていた教員のうち、都道府県や政令市などの教育委員会が実施している採用試験に合格して登用された「正規教員」は約9割にとどまり、約1割は立場が不安定な「臨時教員」だった。文部科学省が31日、初の調査結果を発表した。義務教育の現場が「臨時」頼みになっている実態が改めて浮かび上がった。
「正規教員」は大学などで教員免許を取得後、都道府県や政令市ごとに実施される採用試験に合格して登用される。これに対し、「臨時教員」は教員免許を持っているが、採用試験は通過しておらず、年度ごとに契約を更新するなど不安定な立場に置かれている。文科省は、公立小中学校の教員全体に占める「臨時」の比率を毎年把握しているが、学級担任に限定して調査したことはなかった。
昨年5月1日時点で小学校で学級担任を務めていたのは26万8201人。このうち60歳の定年退職後も再任用でフルタイム勤務する教員も含めた「正規」は23万7099人(88・4%)で、3万826人(11・5%)を「臨時」が占めた。
産休や育休などで「正規」の欠員が出た場合は「臨時」を充てることが法律で認められている。ただ、こうしたやむを得ない事情で配置された教員を除いても小学校で1万6934人が「臨時」だった。
中学校では、11万2160人の学級担任のうち、「正規」は10万1750人(90・7%)にとどまった。1万402人(9・3%)が「臨時」で、このうち産休などの代替教員を除いた人数は8271人だった。
特に学級担任の「臨時」への依存度が高いのは、障害を持つ子どもらが所属する特別支援学級だ。小学校では23・7%、中学校では23・9%に達していた。
学級担任以外の教員も含めた教員全体に占める「正規」の比率は、小学校87・4%▽中学校87・5%▽高校89・6%▽特別支援学校81・4%――だった。
今回の結果について、文科省の担当者は「教育活動上の問題があるとは認識していない」としつつ、「現在進めている小学校の『35人学級化』などを機に、各自治体は正規比率を高める努力をしてほしい」と話した。【大久保昂】
からの記事と詳細 ( 小中学校担任の1割が「臨時教員」 文科省、綱渡りの実態を初調査 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/1X5ZRGFxh
No comments:
Post a Comment