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Sunday, September 12, 2021

駐車場から消えたレクサス…特殊機器で「制御乗っ取り」か、高級車窃盗相次ぐ - 読売新聞

 特殊な機器で車の制御システムを不正に操って解錠したとみられる高級車の窃盗被害が愛知県内で相次いだことが、捜査関係者への取材でわかった。「 CANキャン インベーダー」と呼ばれる新たな手口で、車が異常を感知しないため搭載された警報装置も作動せず、専門家はタイヤロックなど二重三重の対策を呼びかけている。

 8月11日未明、名古屋市守山区の住宅駐車場から1000万円超の高級車レクサスLXが消えた。防犯カメラに映った人物が盗んだ車で逃走するまで十数分。鍵をこじ開けた形跡はなく、捜査関係者は「犯行時間も短く、CANインベーダーの可能性がある」と話す。

 20日未明には、同市東区の住宅ガレージからLXが盗まれ、物音に気づいて運転席のドアにしがみついた男性が振り落とされて負傷した。22~24日にも、同市や長久手市で高級車が5台立て続けに盗まれた。

 窓ガラスが割られたり、鍵が壊されたりしておらず、一部の現場では、車の左前部にしゃがみこむ不審な人物が防犯カメラに映っていた。捜査関係者らによると、故障診断に使われるヘッドライト裏側の配線に特殊な機器を接続し、電子信号を送ることで解錠やエンジンの始動が可能になるという。車の動作を制御する車載ネットワーク「CAN」を乗っ取るイメージから、CANインベーダー(侵略者)の呼び名が付いた。

 兵庫県警は8月31日、この手口による窃盗事件を全国で初めて摘発し、男2人を逮捕したと発表。被害は17都府県で195台(総額約9億5000万円)に上るとみられている。解錠に使われた小型の機器について、男らは「知り合いから約200万円で買った」と供述、窃盗グループの間で流通している恐れがある。

 近年は、車の電子キーが発する電波を増幅、中継して解錠する「リレーアタック」の被害が目立っていたが、電波を遮断するアルミ缶にキーを保管するなど対策が浸透してきたため、新たな手口に切り替える動きが出てきたとみられる。

 防犯アドバイザーの 京師きょうし 美佳さん(50)によると、CANインベーダーは電子キーが近くになくても解錠でき、10~20分の短時間でエンジンがかけられる。特にレクサスは部品だけでも海外で高値で取引され、狙われやすいという。

 京師さんは「タイヤやハンドルをロックする防犯用品を装着するなど、この車を盗むには時間がかかると思わせる対策が重要。カーセキュリティー専門店に相談してみてほしい」としている。

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