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Saturday, August 21, 2021

日本はどうする? アフガニスタンでの「米国敗北」と「ほくそ笑む」中国が意味するもの - 現代ビジネス

アフガニスタンにおけるアメリカの撤退は、最悪な形をとって、進められることになった。超大国アメリカの20年かけた戦場からの撤退としては、あまりにも無残である。アフガニスタン政府は、ほぼ戦わずしてタリバンに降伏して崩壊した。大使館の屋上にヘリコプターをつけ、空港でしがみつくアフガン人を振り払いながら進められている想定外の脱出作戦は、アメリカの力の衰退を劇的に世界に示した。

[PHOTO]gettyimages

過去20年間に自由を享受することを知ってしまったアフガン人たちが、タリバン統治下で経験するだろう苦難は、長期にわたって続いていく。今後アフガニスタンのニュースが流れるたびに、世界の人々は、自らの力の限界さえ計算できなかったアメリカの浅はかさを、繰り返し思い出し続けていくことだろう。

アメリカでは議論が沸騰している。そのこと自体は当然だ。だが、アメリカの力が不足していること自体は、政策論の対象にはならない。アメリカは力が足りないので、アフガニスタンから撤退する。力が足りないので、撤退も混乱している。その点について冷厳な認識が必要だ。

自由主義陣営の敗北

アフガニスタンの「敗北」は、アメリカ一国だけで受け止めるべきものではない。アメリカが単独介入した事例や、2003年イラク戦争の場合などと比べて、アフガニスタンにおけるアメリカの軍事介入は、国際協調の度合いが高かった。

2001年の9・11テロ事件の直後に起こったアメリカのアフガニスタン侵攻は、NATO(北大西洋条約機構)の集団防衛体制の発動を伴って行われた。確かに、2001年の軍事攻撃そのものは、主にアメリカの航空兵力によって行われた。しかしタリバン政権の崩壊後のアフガニスタンの治安維持にあたったISAF(国際治安支援部隊)を構成したのは、主にNATOを構成した諸国だ。

ISAFは、アメリカを支援する体制で一致団結していた当時の国連安全保障理事会の決議をへて行われた。国連憲章第7章の「強制措置」の権限を付与されて国際法上の合法性も確かな、国際社会全体の努力の象徴であった。

NATO構成諸国の積極的な関与が自明であり、各方面から歓迎もされたため、アフガニスタンの新しい政治体制を決めるための「ボン会議」は、2001年12月にドイツで開催された。

結果として、NATO構成諸国は、過去20年間で1,000名以上の戦死者を出した。巨額の援助もアフガニスタンに流し込んだうえで、アメリカとともにアフガニスタンから完全撤退する。外交官も退避している。彼らもまた、敗北の辛酸を味わっている。

欧米のドナー諸国は、アフガニスタン政府の治安組織の「能力構築」に深く関わった。しかし今回のタリバン侵攻に際して、アフガニスタン政府軍がほとんど戦うことなく、降伏し続けたことは、大きな衝撃である。戦わない軍隊にいくら投資しても、いくら訓練を提供しても、全く無意味であるどころか、有害な結果しか招かないことは、言うまでもない。

欧米諸国は、アフリカなどでも対テロ戦争の文脈での治安組織の「能力構築」支援を大々的に行っている。アフガニスタンでの「敗北」の衝撃は、多方面で政策に影響を与えていくだろう。

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