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Thursday, July 29, 2021

益川敏英さんが死去 2008年ノーベル物理学賞 81歳 - 毎日新聞 - 毎日新聞

益川敏英さん=2017年撮影
益川敏英さん=2017年撮影

 素粒子物理学の分野で、クォークに関する「小林・益川理論」で2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授、名古屋大特別教授の益川敏英(ますかわ・としひで)さんが23日、上顎(じょうがく)歯肉がんのため死去した。81歳。葬儀は家族のみで営んだ。「お別れの会」などの開催は未定。

 名古屋市出身、名大理学部卒。名大助手、京大理学部助手、東京大原子核研究所助教授を経て、1980年、京大基礎物理学研究所教授に就任、所長も務めた。03年から京都産業大(京都市)教授を務め、在任中にノーベル賞を受賞した。

 名大では故湯川秀樹博士の中間子論を発展させた故坂田昌一博士の下で、素粒子論を研究。京大助手時代の73年、当時の同僚で後にノーベル賞を共同受賞する高エネルギー加速器研究機構の小林誠・特別栄誉教授とともに、原子を構成する基本的な粒子のクォークが6種類あるという「6元模型」を共同発表した。

 当時、すでに3種類のクォークが発見されていたが、第4、第5のクォークに続いて94年、第6の「トップクォーク」が確認され、「小林・益川理論」は、ノーベル賞の有力候補と言われていた。

 一連の研究で、第25回仁科記念賞(79年)、米物理学会J・J・Sakurai賞(85年)、学士院賞(同)を受賞した。01年に文化功労者に選ばれ、08年に文化勲章も受章した。

 「九条科学者の会」の呼びかけ人でも知られ、護憲や平和に関するメッセージを発信。文部科学相との面談時には日本の教育施策について「考えない人を育てている」と苦言を呈したこともあった。京都産業大によると、20年12月から自宅療養を続けていたという。

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