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Friday, April 30, 2021

大阪の第4波死者、目立つ50代以下…第3波の4倍に - 読売新聞

 大阪府の新型コロナウイルスの死者が急増している。4月29日の発表では過去最多の44人に達したが、府の分析では、「第4波」では50歳代以下や基礎疾患のない人の割合が増えているのが特徴としている。病床の逼迫ひっぱくで、重症患者でも十分な治療を受けられない状況が続いており、専門家は「当面は予断を許さない」と警鐘を鳴らす。

 府が発表するコロナの死者数は、発表前日までに新たに把握した人数で、44人は19~28日に亡くなった。

 府によると、3月1日からの第4波では、死者の発表数は1桁だったが、4月16日に16人を記録した。23日からは連日2桁が続き、29日には、それまで最多だった1月27日(23人)の2倍近くまで増えた。

 これまでの府の分析では、第4波では、50歳代以下の増加が目立つ。

 第3波(昨年10月10日~今年2月末)の死者に占める割合は1・9%だったのに対し、第4波(4月26日時点)の死者に占める割合は8%で、第3波の約4倍だ。

 基礎疾患のない人が死亡するケースも増えている。従来は、高血圧や糖尿病、心臓病などの人が重症化しやすいとされてきた。第3波の死者のうち基礎疾患のない人・不明の人の割合は32・5%だったが、第4波では39・6%に増えている。

 29日発表の死者でも、40歳代1人、50歳代2人が含まれ、このうち50歳代の1人は基礎疾患がなかった。

自宅で死亡12人 府のデータでは、死者数は増えているが、死亡率は第3波より低い。

 第3波では感染者3万6065人のうち死者は935人で、死亡率は2・6%だったが、第4波では感染者2万9361人のうち死者は212人で、死亡率は0・7%にとどまる。多くの専門家は重症化を防ぐ治療法の蓄積が進んでいるためとみる。しかし、死亡率は4月13日の0・4%、19日の0・5%から徐々に上昇している。

 感染者の年齢区分のデータでは4月8日以降、60歳代以上の割合が増えつつある。このまま新規感染者が減らずに感染の中心が高齢者層に移行すると、死亡率がさらに上がり、死者数も増える恐れがある。

 府内では、病床の逼迫が切実な状況で、重症病床(30日現在349床)の使用率は実質100%を超え、一部の患者は、軽症・中等症病床で治療を受ける綱渡りの状況が続く。府によると、第4波では、12人が自宅で亡くなったという。

 りんくう総合医療センターのやまと正也・感染症センター長は「死者が急増しているのは、病床不足で必要な治療にたどり着けないという要因が大きいと思う。人の移動を減らすなど感染防止を徹底して患者数を抑えた上で、ホテルや自宅で療養する段階から往診して酸素の投与や投薬をするなど、症状が悪化する前に治療できる体制をもっと広げることだ」と話す。

 第4波では、重症者が第3波の3倍の速度で増えており、病床の逼迫要因となっている。

 府は、重症者の増加の背景に、変異ウイルスがあるとの見方を示す。

 府内では、英国型の変異ウイルスの割合が約8割に上る。府によると、第4波全体の重症化率は2・6%だが、変異ウイルスに限ると3・5%だ。発症から重症化までの日数も、従来より1・5日ほど早いとのデータもある。

 厚生労働省の助言機関の座長を務める国立感染症研究所の脇田隆字所長は4月27日夜の記者会見で、変異ウイルスと重症化の関係については十分なデータがないなどとして「慎重にみる必要がある」と話した。

 ただ、死亡率をみると、変異ウイルスは0・6%で、第4波全体とほぼ同じだ。従来型のウイルスよりも薬が効きやすく、早期に治療すれば高い確率で回復が期待できるとの見方がある。

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