欧州連合(EU)は今年初め以降、5000万回分を超える量の新型コロナウイルスワクチンの日本向け輸出を承認した。これを受けて、日本の国民は不満を強めている。
EUは26日、ファイザーやモデルナの製品を含め、EU域内の施設で製造されたコロナワクチン約5230万回分の日本向け輸出が承認済みだと明らかにした。EUからワクチンが出荷された43カ国の中で最も多い量だ。
国内接種の遅れについて、日本の政府当局者が供給上のボトルネックが理由の一つだと指摘してきただけに、日本向けワクチンが大量に存在するとの事実は国民をいら立たせている。ブルームバーグのワクチントラッカーによれば、接種を受けた日本国民はわずか1.3%と経済協力開発機構(OECD)加盟国37カ国で最も低い。これに対し、米国は37%、英国は約36%だ。
EU承認を巡る情報がソーシャルメディア上で取り上げられる中、河野太郎行政改革担当相(ワクチン担当相)は数字には誤りがあるとツイッターで指摘。同相のオフィスは30日に電子メールで、日本に届いているファイザー製ワクチンは約2800万回分だと説明した。加藤勝信官房長官は同日、モデルナ製ワクチンがこの日到着したと明らかにしたが、量については言及しなかった。
EUのワクチン輸出の統計についてはブルームバーグ・ニュースが22日に最初に報じ、その後、EU当局が発表資料で確認。日本ではツイッター上でアナリストや医師、野党政治家がこれに言及し、「ワクチンはどこにあるのか」との疑問が飛び交った。
東京五輪大会を約3カ月後に控え、3度目の緊急事態宣言が発令されたのを受け、国民は不満を募らせているようだ。
日本政府は接種促進へさらに資源を投入する方針をこの1週間で発表。国内メディアによれば、ワクチン認可プロセスの短縮化を検討しているとされるが、それは数カ月前に講じられるべき措置だったとの指摘が聞かれている。
菅義偉首相は今週、コロナワクチンの大規模接種センターを都内に設置するよう岸信夫防衛相に指示。これまで地方自治体に委ねてきた政府がワクチン接種に直接関わるのは初めてだ。
原題: ‘Where Are the Vaccines?’ Japan Public Asks as EU Doses Revealed(抜粋)
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