65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、各地で始まった。医療従事者を除く一般住民の接種は初めて。共同通信の調査では、12日は少なくとも39都道府県の市区町村で接種が予定されている。対象は約3600万人で、政府は6月までに必要な量を各市区町村に届ける方針。前例のない規模の接種事業が本格化する。
東京都八王子市では、市役所で予約した人に集団接種という形で実施。兵庫県伊丹市や長野県北相木村でも特別養護老人ホームの入所者や住民らにワクチンが打たれた。
米ファイザー製のワクチンが使われ、原則3週間の間隔で2回接種する。政府は重症者や死者をできる限り減らすため、重症化リスクの高い高齢者を優先対象とした。
ワクチンは4月5日の週に都道府県への配送が始まったが計100箱(1箱約500人分、計約5万人分)と限られており、接種が本格化するのは全1741市区町村に各1箱配送される26日の週以降となる。 (共同)
◆予約の申し込み殺到、短時間で受け付け終了
八王子市では午前9時15分すぎから市役所で接種が実施された。この日は先着順で予約した65歳以上の市民250人が対象になった。
市役所1階ロビーにブース2カ所を設営し、医師3人、看護師6人の態勢でワクチンを接種。接種を受けた市民は待機スペースで約15分経過を観察し、会場を後にした。
接種を終えた住職、赤塚良孝さん(74)は「もう少し痛いかと思ったが、痛みはなかった。仕事柄、不特定多数の人と会うのでほっとしている。皆さん、接種が早めに終わるといいなと思う」と報道陣に話した。
市によると、65歳以上の市民は約16万人。4月中に接種するのは、先着順に予約した1900人。予約が始まった5日は、申し込み殺到で短時間で受け付けが終了し、多数の苦情が寄せられた。予約が必要なことも市民に十分に周知されていなかった。
青木輝雄さん(82)は午前6時50分から市役所の玄関前で待機した。8時前に「予約が必要」と記者から知らされると、「えーっ」と絶句し「次は電話で予約してから来ます」。おいの車で送ってもらった戸出靖夫さん(77)は「(予約の)電話がつながらなかったので来た。5年前に脳梗塞になったので、早くワクチンを受けたかった」と残念そうに市役所を後にした。
石森孝志市長は接種開始後、報道陣に「多くの人がワクチンを希望していた。予約を受け付ける体制を整えたい」と話した。 (布施谷航)
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