足利市で21日午後から続く山林火災を収束させるため、24日も消防関係者らが上空から、地上から懸命の消火活動にあたった。煙は中心市街地にまで広がり、学校の臨時休校や住民の避難など、影響は市民生活にも及んだ。住民は「早く収まるのを祈るしかない」と、煙が立ち上る山肌を見詰めた。
24日未明には両崖山から天狗山方面へと火が拡大し、山肌に真っ赤な炎が浮かんだ。周辺には煙が霧のように立ちこめた。
県によると、午前6時25分からの自衛隊のヘリを皮切りに、県の防災ヘリや茨城、埼玉県など広域の応援で派遣された近県のヘリが水をまき続けた。
地上では、上空からの散水が止まるタイミングに合わせ、足利市消防本部や同市消防団、応援の周辺市の消防関係者が住宅地からホースをつないで消火作業にあたった。
午前9時ごろ、両崖山の南西側に住む男性(40)は「火の行方が気になって未明まで眠れなかった。目に見える範囲の火は落ち着いてきたようだ」とほっとする一方、煙だけが見える山の反対側を心配した。
日中は時折、強い風が吹き、煙は広範囲にわたった。足利第一中付近などでは灰も舞い、両崖山近くの市街地一帯にも煙が漂った。
午前11時半ごろ、足利市今福町、会社役員鶴貝雅広(つるがいまさひろ)さん(70)は「心配で朝から何度も山を見ている。今日は仕事にならない」と不安げな表情を浮かべた。友人から電話が十数件も入っているといい、「今日も風が強いので煙だけが見えている部分も心配。早く収まるのを祈るしかない」と散水するヘリに目を向けた。
両崖山は全域にわたり、複数箇所で火の手が広がった。「煙が出ている」という住民の情報提供なども相次ぎ、消防関係者は現場確認や警戒に追われた。
山の東側にある足利高は午前中で授業を取りやめた。2年、石井椋太(いしいりょうた)さん(17)は「朝からかなり心配だった。まだまだ煙も匂いもすごい。家で静かに過ごす」と帰路を急いだ。
自衛隊などのヘリが撤収した日没以降は、地上部隊が大々的に消火作業に尽力した。昼間より西風が強まる中、山の周囲の複数箇所から集中的に水を浴びせた。ただ、斜面には依然として赤い炎が見て取れた。
午後8時ごろ、山の北側で活動する消防団員は「万一、北関東自動車道や近くの民家に火が迫ったら大変」と厳しい表情で語り、「ぱちぱち」と木々が燃える音が響く中、必死に放水していた。
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